この年譜は金達寿の自伝『わがアリランの歌』や『わが文学と生活』などに記された事柄に、独自に調べた金達寿の伝記的事実を加えて整理し、同時代の社会状況と合わせて年表形式にしたものである。生前しばしば「生きている在日朝鮮人史」と呼ばれた彼の生涯が、近代日韓関係とは何だったのかを考えるきっかけとなれば幸いである。
1月1日 与謝野寛編『平出修遺稿』。 |
1月*日 中国で胡適「文学改良芻義」(『新青年』)。これをきっかけに文学革命運動がおこる。 |
1月*日 菊池寛「父帰る」(『新思潮』)。 |
3月8日 ペトログラードで労働者の示威運動起こる。 |
3月15日 ロシア2月革命(リヴォフ公首班の臨時政府成立。ニコライ2世退位)。 |
4月16日 レーニンが亡命先のスイスよりペトログラードに帰還する。 |
5月1日 堺利彦・山川均の主唱で、在京社会主義者34名、山崎今朝弥邸でメーデー記念の集まりを開き、ロシア革命支持を決議する。 |
9月12日 大蔵省、金貨幣・金地金輸出取締令を公布(事実上の金本位制停止)。 |
10月*日 志賀直哉「和解」(『黒潮』)。 |
11月2日 石井・ランシング協定(アメリカは日本が領土の近接する中国において特殊権益を有することを認め、同時に両国は中国の独立・門戸開放・機会均等の尊重を約束)。1923年4月14日、廃棄の公文交換。 |
11月7日 ロシア11月革命(レーニン・トロツキー主導のボリシェヴィキが武装蜂起し、7月に成立したケレンスキー政権を転覆)。 |
1月18日 アメリカ大統領ウィルソン、「14ヵ条」を発表する。 |
2月21日 書堂に関する規則が制定される(当時の堂数約25,000、児童数259,000名)。 |
3月3日 ソ連、ドイツ・オーストリア側とブレスト=リトウスク講和条約に調印する。 |
春-19年 世界的インフルエンザとなったスペイン風邪が大流行(死者15万人)。 |
5月*日 魯迅「狂人日記」(『新青年』)。 |
6月18日 朝鮮で土地調査事業が完了し、各群島全部に土地台帳が備わる。 |
7月23日 富山県下新川郡魚津町の漁民妻女ら数十人、米価高騰防止のため米の県外への船積み中止を荷主に要求しようとして海岸に集合する(米騒動の始まり)。 |
※ 8月13-14日、全国の米騒動が絶頂に達する。 |
8月2日 日本政府、シベリア出兵を宣言する。 |
9月*日 菊池寛「忠直卿行状記」(『中央公論』)。 |
11月9日 ドイツ革命(ベルリンでスパルタクス団・革命的オプロイテ指導の労働者の武装蜂起、マスク公、皇帝退位を宣言し、社会民主党のエーベルトに政権を委譲)。 |
11月11日 ドイツ、連合国と休戦協定調印。第一次世界大戦終わる。ハプスブルク朝が滅亡する。 |
12月5日 英親王李垠と梨本宮方子の婚約が正式に勅許される。 |
3月9-10日 東京大空襲。 |
5月30日 横浜空襲で神奈川新聞社社屋が炎上し、金達寿・張斗植は失職者となる。 |
8月6日 広島に原爆投下。 |
8月8日 ソ連、対日宣戦布告。 |
8月9日 長崎に原爆投下。 |
8月15日 正午、戦争終結の詔書が放送される。 |
8月15日 金達寿たち、解放を喜び、「活気横溢」する。 |
8月── 在日朝鮮人の自主的な帰国が始まる。 |
※ 全国の漁港などに殺到。9月末時点で下関に約2万人、博多に約1万人が半月以上も道端に寝て乗船の順番を待ち、さらに全国から終結するため、無秩序と病人が多数発生、混乱により収拾がつかない状態になる。 |
8月23日 浮島丸事件(舞鶴港沖で浮島丸が沈没)。 |
8月24日 (北朝鮮)ソ連軍が平壌に進駐。司令部設置、駐北朝鮮ソ連軍司令官シュチコフ中将、布告文「朝鮮人民へ」を発表する。 |
8月26日 (北朝鮮)ソ連極東軍第25軍が平壌に進駐完了、38度線を封鎖する。 |
8月28日 連合国総司令部(GHQ)が横浜に設置される。 |
※ マッカーサーの到着は8月30日、GHQの本部が東京日比谷の第一生命相互ビルに置かれたのが9月15日。 |
9月初 (北朝鮮)スターリンがモスクワでソ連軍大尉・金日成を面接する。 |
9月2日 日本政府、降伏文書に調印する。 |
9月2日 マッカーサー アメリカ極東軍事司令官、北緯38度線を境界とする米ソ両軍の朝鮮分割占領政策を発表する。 |
9月6日 (南朝鮮)朝鮮建国準備委員会、朝鮮人民局樹立を宣言。10月10日、アメリカ軍政長官により否認される。 |
9月7日 (南朝鮮)アメリカ極東軍事司令部、南朝鮮に軍政を布告する。 |
9月11日 (南朝鮮)ソウルで朝鮮共産党再建が発表される(責任書記・朴憲永)。 |
9月*日 金達寿たち、横須賀在住朝鮮人同志会を結成する。 |
9月26日 三木清が豊玉拘置所で獄死する(49歳)。 |
10月10日 政治犯約500名が釈放される。出獄した徳田球一・志賀義雄、「人民に訴う」を声明。 |
10月10日 金天海ら出獄戦士歓迎会が飛行会館(田村町)で朝鮮人2000名が参加して開催。 |
10月10日 『朝鮮新報』創刊。 |
※ 『民衆新聞』『大衆新聞』『ウリ新聞』の名称変更を経て『解放新聞』『朝鮮民報』と改称後、1961年1月に『朝鮮新報』となる。 |
10月14日 (北朝鮮)金日成が平壌市公設運動場で開かれた朝鮮人民解放祝賀大会で初めて公の場に姿をあらわす。 |
10月15-16日 在日本朝鮮人連盟の結成大会が開かれる。 |
10月16日 (南朝鮮)李承晩、アメリカより帰国する。 |
10月20日 日本共産党機関紙『赤旗』再刊。 |
10月20日 (北朝鮮)朝鮮共産党北部朝鮮分局が結成される。 |
10月24日 国際連合成立(国連憲章、20ヵ国の批准が完了して発効)。 |
11月1日 GHQ、日本政府に在日朝鮮人帰国の計画輸送を指令。 |
11月6日 GHQ、持株会社の解体に関する覚書を出す(財閥解体)。 |
11月16日 朝鮮建国促進青年同盟(建青)が田村町飛行会館で結成される。 |
11月20日-46年10月1日 ニュルンベルク国際軍事裁判が開廷する。 |
12月5日 金達寿の長男・章明が産まれる。 |
12月12日 日本共産党拡大中央委員会で、朝鮮部長に金天海、副部長に金斗鎔、関東部長に朴恩哲、関西部長に宋性徹らを選出。 |
12月13日 (北朝鮮)華北朝鮮独立同盟(延安派)幹部が平壌に到着する。 |
12月17-18日 (北朝鮮)朝鮮共産党北朝鮮分局第3回拡大執行委員会で金日成が責任書記に選出される。 |
12月27日 アメリカ・イギリス・ソ連3国外相会議、モスクワ協定(5ヵ年以内の朝鮮信託統治案)を調印。 |
12月30日 新日本文学会が結成される。『新日本文学』創刊準備号が発行される。 |
12月31日 (南朝鮮)ソウル市民、信託統治反対示威大会を開く。 |
1月1日 天皇、神格化否定の証書。 |
1月1日 雑誌『世界』(岩波書店)創刊。 |
1月2日 (北朝鮮)朝鮮共産党北部朝鮮分局、朝鮮独立同盟など、モスクワ協定を支持する共同声明を出す。 |
1月4日 GHQ、軍国主義者の公職追放および超国家主義団体27の解散を指令する。 |
1月10日-2月14日 国連第1回総会がロンドンで開かれる。1月12日に安全保障理事会が成立する。 |
1月20日 東京で新朝鮮建設同盟(建同)結成。 |
1月26日 1月12日に中国より帰国した野坂参三、日比谷公園の帰国歓迎大会で〝愛される共産党〟を主張する。 |
1月*日 『近代文学』(近代文学社)創刊。 |
2月15日 (南朝鮮)左翼陣営、朝鮮民主主義民族戦線を結成する。 |
2月17日 GHQ、在日朝鮮人の帰国希望者の登録を日本政府に指令、3月18日までに「帰還者の登録実施と日本政府の指示に従って出発しない朝鮮人は、帰還の特権を喪失する」旨を通告。 |
3月1日 『新日本文学』創刊。 |
3月1日 (北朝鮮)平壌の章台[山見]教会で反共・反ソ祈祷とデモがおこなわれる。また平壌駅前で金日成への手榴弾投弾事件がおこる。 |
3月5日 イギリス首相チャーチル、アメリカ・ミズーリ州フルトンで〝鉄のカーテン〟演説をおこなう。 |
3月13日 (北朝鮮)咸興・興南一帯で反共・反ソデモがおこなわれる。 |
3月16日 GHQ、朝鮮人の帰国者は日本への再入国を禁止する旨を発表。 |
3月20日-5月6日 朝鮮独立に関する第1回米ソ共同委員会がソウルで開幕。 |
3月*日 宮本百合子「播州平野」(『新日本文学』~11月)、徳永直「妻よねむれ」(『新日本文学』~48年9月)。 |
4月1日 『民主朝鮮』創刊。「祖母の思ひ出」掲載。また「後裔の街」の連載がはじまる(47年5月まで)。 |
4月*日 津田左右吉「建国の事情と万世一系の思想」(『世界』)、織田作之助「世相」(『人間』)、坂口安吾「堕落論」(『新潮』~5月) |
5月1日 戦後初のメーデー。 |
5月3日 極東軍事裁判所が開廷する。 |
5月19日 食糧メーデー。「国体はゴジされたぞ。朕はタラフク食ってるぞ。ナンジ人民飢えて死ね」のプラカードが掲げられる。 |
5月25日 (南朝鮮)金奎植・呂運亨ら、アメリカ軍政庁の斡旋で左右合作のため接触を開始する。 |
5月*日 鶴見俊輔ら、第1次『思想の科学』創刊。 |
5月*日 丸山真男「超国家主義の論理と心理」(『世界』) |
6月18日 極東軍事裁判のアメリカ側首席検事キーナン、ワシントンで、天皇を戦争犯罪人として裁判しないと言明する。 |
6月22日 〝マッカーサー・ライン〟が設定される(GHQ、日本の漁業・捕鯨権の認可された区域に関する覚書)。 |
6月*日 東宝、第4回ニューフェース応募者4000名の中から三船敏郎・久我美子などを採用する |
7月1日 「李川氏についての二章」「床屋にて」(『民主朝鮮』) |
7月1日 アメリカ、ビキニ環礁で原爆実験をおこなう。 |
7月12日 中国の全面的内戦がはじまる(国府軍50万、蘇皖解放区への攻撃を開始)。 |
7月20日頃 (北朝鮮)スターリンが金日成と朴憲永をモスクワに呼び、金日成を最高指導者と決定する。 |
8月22日 持株会社整理委員会が発足する(財閥解体措置の本格的な開始)。 |
8月28-30日 (北朝鮮)朝鮮共産党北朝鮮分局と朝鮮新民党の合同大会が開かれ、北朝鮮労働党が結成される(委員長・金科奉、副委員長・金日成)。 |
8月*日 日本共産党における最初の朝鮮人問題に対する方針「八月方針」が出される。 |
9月24日 (南朝鮮)大規模なゼネストが起こる。 |
9月30日 妻の福順が死去する。享年21。 |
10月3日 在日本朝鮮居留民団(民団)が結成される。 |
10月11日 (北朝鮮)朴憲永、アメリカ軍政庁の逮捕状を避けて北に亡命する。 |
10月頃 金達寿、新日本文学会に入会。真もなく常任委員に選ばれる。 |
11月3日 日本国憲法が公布される。 |
11月23-23日 (南朝鮮)南朝鮮労働党が結成される(委員長・許憲)。 |
12月27日 閣議、第4四半期物資需給計画を決定する(〝傾斜生産方式〟の開始)。 |
1月*日 金達寿たち、在日本朝鮮文学者会を結成する。 |
1月31日 マッカーサー、〝2・1ゼネスト〟に対し中止を命令する。 |
2月1日 「塵(ごみ)」(『民主朝鮮』) |
2月20日 (北朝鮮)北朝鮮人民会議開設。北朝鮮臨時人民委員会が北朝鮮人民委員会に改編される(委員長・金科奉)。 |
3月6-7日 在日本朝鮮民主青年同盟(民青)が結成される。 |
3月12日 アメリカ大統領トルーマン、上下両院合同会議で〝トルーマン・ドクトリン〟を宣言する。 |
4月1日 「塵芥船後記」(『民主朝鮮』) |
4月14日 独占禁止法が公布される。 |
5月1日 「後裔の街」完結。 |
5月2日 外国人登録令が公布即日施行される。 |
※ 日本政府、「在日朝鮮人は当分の間は外国人と規定され、外国人登録法の国籍欄に『朝鮮』と記入するよう」に指示する。 |
5月3日 日本国憲法が施行される。 |
5月21日-7月10日 第2回米ソ共同委員会がソウルで開催される。 |
6月頃 金達寿、『民主朝鮮』の座談会で、初めて中野重治と出会う。 |
6月1日 「雑草の如く」(『民主朝鮮』) |
6月4日 志賀義雄「軍事的封建的帝国主義について」(『アカハタ』)。神山茂夫との論争おこる。 |
6月5日 アメリカ国務長官マーシャル、ヨーロッパ復興計画(マーシャル・プラン)を発表する。 |
6月10日 神山茂夫『天皇制に関する理論的諸問題』 |
6月14日 在日本朝鮮民主文化団体総連盟(文団連)が結成される。 |
7月10日 静岡県登呂遺跡の発掘がはじまる。 |
7月19日 (南朝鮮)呂運亨(勤労人民党党首)が暗殺される。 |
7月*日-? 「嘘をつく女」(『国際タイムス』 全5回) |
7月*日 アメリカ外交官ジョージ・ケナン、Xの署名で「ソ連行動の源泉」(『フォーリン・アフェアーズ』)を発表し、対ソ封じ込め理論を提唱する。 |
8月4日 日本政府、在日朝鮮人に対する規定を「連合国、中立国、敵国、特殊地位国及び地位未決定国の定義に関する件」で、朝鮮は「特殊地位国」と規定し、在日朝鮮人に対応すると発表する。 |
8月10日 (北朝鮮)北朝鮮中央博物館現代史室が開設され、「金日成将軍闘争記録」が展示される。 |
8月14日 パキスタン独立。 |
8月15日 インド独立。 |
9月1日 「李万相と車桂流」(『民主朝鮮』) |
9月17日 マーシャル アメリカ国務長官、国連総会で朝鮮問題の国連討議を提案する。 |
9月27日 ソ連、米ソ共同委員会で朝鮮同時撤兵を提案する。 |
10月5日 コミンフォルム(欧州共産党情報局)の設置が公表される。 |
10月11日 山口良忠判事、配給食料による生活を守り、栄養失調で死亡する。 |
10月15日 「八・一五以後」(『新日本文学』) |
10月20日 アメリカ、同時撤兵を拒否。ソ連共同委員会を引き揚げる。 |
11月14日 国連総会、朝鮮臨時委員会の設置、朝鮮における総選挙の実施、政府樹立後の米ソ両軍の撤退案などを可決(ソ連はボイコット)。 |
12月15日 「続・李万相と車桂流」(『民主朝鮮』) |
1月6日 アメリカ陸軍長官ロイヤル、サンフランシスコで、日本を共産主義に対する防壁にすると演説する。 |
1月17日 在日本朝鮮文学者会・青年文学会・芸術家同盟・新人文学会・白民社が合同して在日本朝鮮文学会が結成される。 |
1月30日 ガンディーがニューデリーで暗殺される。 |
2月1日 「傷痕」(『朝鮮文藝』) |
2月8日 (北朝鮮)朝鮮人民軍が創設される。 |
2月15日-49年7月1日 「族譜」(『民主朝鮮』)連載開始。 |
2月*日 大岡昇平「俘虜記」(『文学界』) |
3月10日 大塚久雄「近代化の歴史的起点」 |
3月12日 国連朝鮮委員会、南朝鮮単独選挙を可決する。 |
3月31日 在日朝鮮人約1万名が山口県知事に朝鮮人学校の閉鎖延期を強力に要請して承認させる。 |
3月*日-12月*日 正宗白鳥「自然主義盛衰史」(『風雪』) |
4月1日 日本考古学協会発会式(委員長・藤田亮策)。 |
4月1日-49年5月12日 ソ連、ベルリンの陸上輸送規制を強化。ベルリン封鎖がはじまる。 |
4月3日 (南朝鮮)済州島4・3事件が起こる。 |
4月23日 朝鮮人学校閉鎖反対、教育自主権擁護のための人民大会が大阪府庁前広場の大手前公園で朝鮮人約3万名が参加して開催。デモ行進中、警官隊に弾圧され70名が負傷、5名が生命危篤、200名が逮捕される。 |
4月24日 大阪の朝鮮人、23日に逮捕された人たちの釈放を要請するため大阪府庁に集まり、朝鮮人代表らが大阪府知事に面会を求めたところ、再び警官隊によって弾圧され、多数の負傷者と逮捕者を出す。また神戸でもアメリカ軍と日本政府当局の在日朝鮮人の民主主義的民族教育の弾圧に反対して数万名が兵庫県知事に陳情、朝鮮人学校閉鎖命令の撤回と逮捕者の釈放を要求し、承認される(4・24阪神教育闘争事件)。 |
4月25日 神戸市内に非常事態宣言が出され、無差別に朝鮮人が逮捕される。 |
4月26日 朝鮮人学校の閉鎖反対と逮捕者の釈放を要求し大阪府庁前広場に約4万名の朝鮮人が集まって陳情していた最中、警官隊の弾圧で金太一(16歳)が殺害され、少女など8名が重傷を負う。 |
4-5月頃 このころ、知識人の共産党入党が相次ぐ。 |
5月4日 集中排除審査委員会DRB〝五人委員会〟来日。これ以後、集中排除法が著しく緩和される。 |
5月10日 (南朝鮮)国連臨時朝鮮委員会の監視のもと、南朝鮮で総選挙が実施される。 |
5月14日 (北朝鮮)北朝鮮人民委員会、南朝鮮への電力供給を停止する。 |
6月5日 「司諫町五十七番地」(『文学時標』) |
6月13日 太宰治が入水自殺する。 |
6月*日 阪神教育闘争事件を特集した『民主朝鮮』の号が発禁となる。 |
6月28日 コミンフォルム、「ユーゴ共産党の現状に関する決議」を採択し、同党の除名を発表する。 |
7月15日 GHQ、大新聞16社・通信社3社の事前検閲を廃止し、事後検閲とする。 |
※ 『民主朝鮮』は最後まで事前検閲が適用された。 |
8月15日 (南朝鮮=韓国)大韓民国政府樹立が宣布される。 |
9月8日 民団、韓国から「在日同胞の公認団体」としての公認を受ける。 |
9月9日 (北朝鮮)朝鮮民主主義人民共和国政府の樹立が宣言される。 |
9月20日 「濁酒の乾杯」(『思潮』)。 |
9月20日-48年12月15日 「青春会議」(『青年会議』 2回で中断。未完) |
10月1日 部落問題研究所が設立される。 |
10月20日 (韓国)麗水・順天で軍隊の反乱事件が発生。11月1日、事件の関係者89名の死刑が執行される。 |
11月20日 国家保安法が国会を通過する(12月1日公布)。 |
11月30日 東ベルリンに新市庁樹立、ベルリン市長が分裂する。 |
※ 西ベルリン市庁は12月7日発足。 |
12月10日 伊藤整『小説の方法』 |
12月12日 第3回国連総会で、大韓民国政府が朝鮮半島における唯一の合法政府と認定される。 |
12月18日 GHQ、アメリカ政府がマッカーサーに日本経済安定計画(経済安定9原則)の実施を指令と発表する。 |
12月24日 GHQ、岸信介らA旧戦犯容疑者19名の釈放を発表する。 |
12月26日 (北朝鮮)ソ連軍、北朝鮮から撤退完了。 |
1月26日 法隆寺金堂内陣が漏電で火災、壁画12面が焼失する。 |
2月8日 公職追放覚書該当者特免令が公布される。 |
2月16日 国連安全保障理事会、ソ連の北朝鮮加盟提案を否決する。 |
2月22日-4月7日 (北朝鮮)金日成首相ら政府代表団がソ連を訪問する。 |
3月1日 「番地のない部落」(『世界評論』) |
3月5日 (北朝鮮)モスクワで金日成・スターリン会談(金日成は南侵計画同意を要請)。 |
3月7日 ドッジライン(ドッジ公使、内外記者団会見で経済安定9原則の実行に関して声明)。 |
3月頃 金達寿、初めて奈良・京都を旅行する。 |
4月1日 検定教科書の使用が開始される。 |
4月1日 GHQ、ガリオアおよびエロア輸入物資の円勘定に関する覚書を発表する。 |
4月4日 団体等規制令が公布される。 |
4月4日 西側12ヵ国、北大西洋条約(NATO)調印。8月24日発効。 |
4月23日 GHQ、日本円に対する公式為替レート設定の覚書(1ドル=360円の単一為替レート。25日より実施)。 |
5月1日 「或る工場の物語」(『世界評論』) |
5月5日 『後裔の街』(世界評論社) |
5月6日 ドイツ連邦共和国(西ドイツ)臨時政府が成立する。 |
5月31日 行政機関職員定員法が公布される。 |
5-6月頃 金達寿、日本共産党に入党する。 |
6月4日 (北朝鮮)スターリン、金日成に軍事援助を承諾する。 |
6月11日 東京都、失業対策事業の日当を245円に決定する(〝ニコヨン〟の呼称はじまる)。 |
6月18日 独占禁止法改正公布。制限条件が緩和され、外貨導入の道が開かれる。 |
6月24日 (北朝鮮)北労党が南労党を吸収し、朝鮮労働党を結成する(委員長・金日成、副委員長・朴憲永と許哥而)。 |
6月26日 (韓国)金九が暗殺される。 |
7月1日 「族譜」(『民主朝鮮』)連載完結。 |
7月4日 マッカーサー、アメリカ独立記念日に際し、「日本は共産主義進出阻止の防壁」と声明する。 |
7月4日 国鉄、定員法に基づく第1次人員整理30,700名の通告を開始と発表する。 |
7月5日 下山事件がおこる。 |
7月12日 (韓国)李承晩大統領、反共闘争への韓国参加を宣言する。 |
7月15日 三鷹事件がおこる。 |
8月1日-9月1日 「叛乱軍」(『潮流』 全2回)。 |
8月15日 ハンガリーが人民共和国を宣言する。 |
8月17日 松川事件がおこる。 |
8月26日 シャウプ勧告(シャウプ税制施設団長、内外記者に第1次税制改革勧告案概要を談話形式で発表)。 |
9月8日 朝連が強制解散させられる。 |
9月11日 明治大学考古学研究室、群馬県岩宿遺跡を試掘する。 |
※ 10月2日より本調査。相沢忠洋の発見は48年12月。 |
9月下旬- 全国各地の大学で、いわゆる赤色教授に対して辞職が勧告される。 |
※ 7月19日-12月にかけて、CIE顧問イールズが各地の大学で〝共産主義教授〟追放を講演したのを受けて。 |
10月1日 琉球アメリカ軍政長官にシーツ少将が就任(沖縄を恒久的な軍事基地とするアメリカの統治が本格化する)。 |
10月1日 毛沢東主席、北京の天安門広場で中華人民共和国と中央人民政府の成立を宣言する。 |
10月7日 ドイツ民主共和国(東ドイツ)が成立する。 |
10月19日 日本政府、朝鮮人学校92校に閉鎖命令・245校に改組を命令し、土地建物などの財産を没収する。 |
10月19日 (韓国)南朝鮮労働党ほか共産主義団体が非合法化される。 |
11月1日 「大韓民国から来た男」(『新日本文学』) |
11月1日 アメリカ国務省当局筋、対日講和条約につき検討中と言明する。講和論争が活発化する。 |
11月3日 湯川秀樹がノーベル物理学賞を受賞する。 |
12月19日 (韓国)国家保安法改正法が公布される。 |
不明 「四斗樽の婆さん」連載開始(9回まで続いて中断。未完。掲載誌・発表年月日は未詳) |
1月6日 コミンフォルム機関誌『恒久平和と民主主義のために』にオブザーバー名義の匿名論文「日本の情勢について」が発表される。 |
※戦後日本の共産主義運動の方針(占領下における平和革命)を全否定する。これを契機に、いわゆる〝日本共産党の50年問題〟がおこる。 |
1月12日 (韓国)李承晩大統領、駐日代表部、「共産暴力革命を志向するなどの在日朝鮮人を強制送還する用意がある」ことを声明する。 |
2月9日 アメリカ上院議員マッカーシー(共和党)、国務省に57名の共産党員がいると演説する。マッカーシー旋風のはじまり。 |
2月*日 中村光夫「風俗小説論」(『文芸』~5月) |
3月1日 自由党が発足する(民主自由党と民主党連合派の合同。総裁吉田茂)。 |
3月1日 池田勇人蔵相、記者会見で中小企業の一部倒産もやむを得ないと発言し、国会で問題化する。 |
3月27日 (韓国)ソウルの南労党の正副責任者が逮捕され、旧南労党が壊滅する。 |
4月1日 「矢の津峠」(『世界』) |
4月下旬 (北朝鮮)金日成、モスクワを秘密訪問。スターリン、南侵計画に同意する。 |
5月3日 マッカーサー、憲法記念日の声明で、共産党は侵略の手先と非難し、非合法化を示唆する。 |
5月13-16日 (北朝鮮)北朝鮮、北京を秘密訪問。毛沢東、南侵計画に同意する。 |
5月15日 『叛乱軍』(冬芽書房) |
5月30日 文化財保護法公布(国法保存法廃止)。8月29日、文化財保護委員会発足。 |
6月6日 マッカーサーの指令により、日本共産党中央委員24名が公職追放となる。 |
※ 7月15日、徳田球一らに逮捕状が出る。 |
6月25日 朝鮮戦争勃発(北朝鮮が全面南侵を開始する)。 |
6月26日 マッカーサー、吉田首相宛の書簡で、朝鮮戦争についての報道態度を理由に『アカハタ』に30日間発行停止を指令する。 |
6月26日 最高裁、D・H・ロレンス(伊藤整訳)『チャタレイ夫人の恋人』(上下 小山書店)の押収を指令。 |
※ 7月8日発禁。 |
6月28日 民対中央会議で祖国防衛中央委員会が廬在浩を責任者として組織される。7月中に各地方に祖国防衛委員会(祖防委)と祖国防衛隊(祖防隊)を組織し、祖防委が祖防隊を指導する。 |
6月28日 (韓国)ソウルが陥落する(10月27日、政府がソウルに復帰)。 |
6月── この頃、出版社の倒産相次ぐ。 |
7月1日 『民主朝鮮』終刊。 |
7月2日 金閣寺、同寺徒弟の林養賢の放火により全焼する。 |
7月7日 国連安全保障理事会、国連軍の韓国派遣を決議する。 |
7月8日 マッカーサー、吉田首相宛の書簡で、国家警察予備隊(75,000名)の創設と海上保安庁の拡充(8,000名増員)を指令する。 |
7月18日 マッカーサー、吉田首相宛の書簡で、『アカハタ』およびその後身各紙の無期限発行停止を指令する。 |
7月24日 GHQ、新聞協会代表に共産党員と同調者の追放を勧告。28日、東京の各新聞社・通信社・放送協会など言論機関が解雇を申し渡す(レッドパージはじまる)。 |
7月*日 井上光晴「書かれざる一章」(『新日本文学』) |
8月10日 警察予備隊令公布施行。 |
8月30日 全学連緊急中央執行委員会、レッドパージ反対闘争を宣言する。 |
※9-10月にかけて大学でのボイコットがおこる。 |
10月3日 韓国軍、38度線を突破して北上する。 |
10月11日 中国人民解放軍、チベットへの進軍を開始する。 |
10月13日 政府、GHQの承認を得て、解除訴願中の10,090名の追放解除を発表する(戦犯覚書該当者は除く)。 |
10月19日 (北朝鮮)平壌が陥落する(12月10日に奪還)。 |
10月25日 中国軍(中国人民志願軍)、朝鮮戦争に介入する。 |
11月1日 『人民文学』創刊。 |
11月24日 電気事業再編成令・公益事業令各公布。 |
12月1日 「眼の色」(『新日本文学』) |
12月11日 日本政府、針尾島収容所に密入国者を収容中の955名、第1次強制送還を強行する。 |
12月21日 (北朝鮮)労働党中央委員会第2期3次合同全員会議が開かれ、金日成、延安派の武亭などの幹部を批判する。 |
12月28日 日本政府、密入国者収容所を長崎県針尾島から大村に移転し、大村収容所が発足する。 |
── この年、金達寿、崔春慈と再婚する。 |
── 〝朝鮮戦争特需〟おこる。 |
1月9日 在日朝鮮統一民主民族戦線(民戦)が東京で結成される。 |
1月15日 ドッブ・スウィージー「封建制より資本主義への移行」。7月頃より論争が起こる。 |
1月*日 在日朝鮮文化団体連合会が結成される。 |
1月21日 宮本百合子死去(51歳) |
4月11日 マッカーサー元帥、国連軍最高司令官を罷免される。 |
5月1日 「富士のみえる村で」(『世界』) |
5月8日 チャタレー裁判が始まる。 |
6月20日 日本政府、第1次追放解除を発表する(石橋湛山・三木武吉ら政財界人2958名)。 |
6月23日頃 金達寿、中野重治と二人で広島を訪れる。 |
7月10日-8月23日 朝鮮戦争の休戦会談本会議が開城で行われる。 |
9月1日 「孫令監」(『新日本文学』) |
9月4日 最高検察庁、共産党臨時中央指導部員と共産党首脳部18名に政令325号・団体等規制令違反容疑で逮捕状を出す。 |
9月8日 対日講和条約・日米安全保障条約調印(ともに1952年4月28日発効)。 |
9月8日 日本政府、GHQの承認を得て旧特高警察関係者336名の追放解除を発表する。 |
9月20日 峠三吉『原爆詩集』(ガリ版刷り われらの詩の会) |
9月*日 竹内好「近代主義と民族の問題」(『文学』) |
10月20日-12月22日 (韓国)日韓予備会談が始まる(打切り)。 |
10月25日 朝鮮戦争停戦会談の場所が開城から板門店に変更される。 |
11月1日 (北朝鮮)労働党中央委員会第2期4次合同全員会議が開かれ、金日成、ソ連はリーダーの許哥而を降格する。 |
11月12日 京都大学同学会学生、天皇を戦争反対アピールで迎える。 |
12月1日 坂口安吾「高麗神社の祭りの笛」(『文藝春秋』) |
12月8日 中国政府、〝汚職・浪費・官僚主義反対の思想改造運動〟を開始する。三反運動がはじまる。 |
12月15日 旗田巍『朝鮮史』 |
── この年、日本古代史をめぐる〝英雄時代論争〟おこなわれる。 |
1月1日 金達寿たち、『文学芸術』を創刊する。 |
1月1日-53年11月1日 「玄海灘」(『新日本文学』)連載開始。 |
1月18日 (韓国)李承晩大統領、隣接海洋での主権に関する大統領宣言(李承晩ライン) |
2月15日-4月25日 (韓国)第1回日韓会談開始(無期休会)。 |
4月10日 (北朝鮮)『労働新聞』に金日成の伝記の連載がはじまる。 |
4月28日 サンフランシスコ講和条約発効・日米安保条約発効。 |
4月28日 日本政府、外国人登録法を即日公布施行。 |
4月1日 「釜山」(『文学芸術』)、「前夜の章」(『中央公論』) |
5月1日 血のメーデー事件がおこる。 |
※ 金達寿、血のメーデー事件に参加して負傷する。 |
5月3-5日 歴史学研究会大会。〝民族の文化について〟論議が盛んにおこなわれる。 |
5月7日 (韓国)巨済島事件(巨済島の捕虜収容所で共産側捕虜が暴動を起こし、ホッジ司令官を3日間監禁する)。 |
5月── この頃より国民文学論争がおこる。 |
6月24日 吹田事件がおこる。 |
6月25日 枚方事件がおこる。 |
7月23日 エジプトに自由将校団のクーデターが起こる(指導者ナセル)。 |
8月6日 『アサヒグラフ』、原爆被害写真を初公開し、即日完売する(計70万部発行)。 |
8月30日 竹内好『日本イデオロギー』 |
9月15日 『富士のみえる村で』(東方社) |
10月12日-53年1月21日 「恵順の願い」(『婦人民主新聞』) |
10月15日 朝鮮問題研究所が韓徳銖によって創立される。 |
11月5日 「標札」(『新世紀』) |
12月7日 51年11月25日から行方不明になっていた鹿地亘が帰宅。在日アメリカ諜報機関(キャノン機関)に監禁されていたと発表する。 |
12月15日 (北朝鮮)労働党中央委員会第2期5次合同全員会議が開かれ、金日成、「労働党の組織的・思想的強化はわれわれの勝利の基礎」を報告するとともに朴憲永・李承燁ら旧南労党幹部を批判する。 |
12月18-19日 民戦第3次全体大会が東京芝浦公会堂で開催される。
|
※ 祖国防衛・統一戦手、平和擁護・反ファッショ闘争、民主民族権利擁護、民戦の組織拡大強化の4大方針の再確認を決議。綱領を「朝鮮民主主義人民共和国政府の周囲に固く団結する」と改正し、また規約に「祖国統一民主主義戦線に直結」と加盟をうたい、同時に日本共産党の指導する民族解放民主統一戦線に参加することを表明する。 |
1月1日-2月1日 「副隊長と法務中尉」(『近代文学』 全2回) |
1月6日 (韓国)5日に訪日した李承晩、吉田茂首相と韓日会談をおこなう。 |
1月9日 映画「ひめゆりの塔」(東映・今井正監督)封切。 |
1月10日-3月1日 韓日会談に反対して「朝・日親善平和月間」の署名運動が展開される。 |
1月14日 チトーがユーゴスラヴィア大統領に選出される。 |
1月*日 中村光夫「志賀直哉論」(『文学界』~12月) |
初 金達寿、井上正蔵・杉森久英・田中保隆・小田切秀雄・塙作楽とともに二日会を結成する。 |
2月4日 〝李ライン〟に出漁した漁船第1大邦丸、韓国警備艇に捕獲され、機関長が射殺される。 |
2月28日 吉田茂首相、衆議院予算委員会で質問の右派社会党西村栄一に「バカヤロー」と暴言を吐く。 |
3月5日 最高裁判所、外国人登録証不携帯罪は過失犯も罰すると判決を出す。 |
3月5日 東京証券市場、軍需株を中心に一斉に暴落する(スターリン暴落)。 |
3月5日 スターリン死去(74歳)。 |
4月14日 韓日会談反対運動が全国各地で展開される。 |
※ 日本代表の久保田貫一の発言「日本の朝鮮統治は朝鮮人に恩恵を与えた。云々」で21日より4年半中断。 |
4月15日-7月23日 (韓国)李承晩、第2次韓日会談を開始する。 |
6月── この頃、植民地従属論争がおこる。 |
7月27日 朝鮮戦争停戦(板門店で休戦協定調印)。 |
7月30日 (北朝鮮)「朴憲永徒党」12名(李承燁・李康国・林和ら)が起訴される。 |
8月3-6日 (北朝鮮)「朴憲永徒党」の裁判。李承燁らに死刑が宣告される。 |
9月1日 独占禁止法改正公布。 |
※ 不況・合理化カルテルの認可、会社の株式保有・合併などの大幅認可。 |
9月12日 ソ連共産党第1書記にフルシチョフが選任される。 |
10月2-30日 池田・ロバートソン会談。日本の自衛力漸増で意見が一致。共同声明を発表する。 |
10月14日 徳田球一が北京で客死する(59歳)。 |
※ 55年8月1日に発表される。 |
11月1日 「玄海灘」連載終了。 |
── 1934年以来の凶作(5490万石)。街頭・店頭テレビが人気を集める。 |
1月5日 『玄海灘』(筑摩書房) |
1月7日 アメリカ大統領アイゼンハワー、一般教書演説で沖縄のアメリカ軍基地は無期限に保持すると表明する。 |
2月13日 日本共産党、この日の『組織者』月号外で二月方針「在日朝鮮人運動について」を発表。在日朝鮮人運動を日本共産党の指導権のもとに従属させるための方針を打ちだす。 |
2月28日 「泣き面相」(『別冊文藝春秋』) |
3月1日 第5福竜丸がビキニのアメリカ水爆実験によって被爆する。 |
3月13日 ホー・チミン軍、ベトナム西北部のディエンビエンフー攻撃を開始する。 |
3月16日 『読売新聞』が第5福竜丸の被爆ニュースをスクープ。この日、築地魚河岸で同船より水揚げされたマグロから強度の放射線が検出され、廃棄される(〝水爆マグロ〟の恐怖が広がる)。 |
3月*日 西野辰吉「秩父困民党」(『新日本文学』~56年2月) |
4月29日 中国・インド、チベット・インド間の通商交通協定が調印される。 |
※ 領土主権の相互尊重・相互不侵略・相互内政不干渉・平等互恵・平和共存の平和5原則を提唱する。 |
5月1日 「母とその二人の息子」(『群像』) |
6月8日 改正警察法公布(7月1日施行)。 |
6月9日 防衛庁設置法・自衛隊法各公布(7月1日施行)。 |
6月── この月より外国為替収支が黒字に転換する。 |
8月30日 北朝鮮の南日外相、平壌放送で「在日朝鮮人は共和国公民」と声明。これにより在日朝鮮人運動の路線転換がはじまる。 |
9月15-28日 中国第1期全国人民代表大会が開催される。 |
※ 中華人民共和国憲法採択。国家主席に毛沢東が選出される。 |
9月*日 金達寿、古本屋をはじめる。 |
10月31日 アルジェリア民族解放戦線が民族解放闘争宣言を発表する。11月1日、武装蜂起。 |
11月1日 「故国の人──或る巡警の手記」(『改造』) |
※のち「故国の人」としてまとめられるものの一部。 |
1月1日 日本共産党、「在日朝鮮人運動について」を発表。従来の在日朝鮮人運動指導に対して方針転換をおこなう。 |
2月*日 『改造』が2月号で廃刊する。 |
2月17日 坂口安吾死去(48歳)。 |
2月24日 バクダット条約(トルコ・イラク間の相互防衛条約)調印。 |
3月3日 日本共産党、民族対策部拡大会議が開かれる。朝鮮人党員の離党問題で激論が交わされる。 |
※ 在日朝鮮人運動の路線転換は、平和5原則に従い、共和国公民として祖国統一を促進するため党籍離脱することが決議される。 |
3月11-13日 民戦19回中央委員会が開かれ、祖国統一民主戦線中央委員の韓徳銖が「在日朝鮮人運動の転換について」を演説する。 |
3月15日 イリヤ・エレンブルグ(泉三太郎訳)『雪どけ』
『雪どけ』 |
3月19-22日 劇団生活舞台が「玄海灘」を上演する。 |
4月1日 「古本屋の話」(『新日本文学』)。 |
4月18-24日 アジア=アフリカ会議(バンドン会議)開催。 |
4月27日 日本政府、外国人登録法の指紋に関する制令および外国人指紋押捺規則を施行する。 |
4月28日 法務省入国管理局、3年間延期してきた在日外国人の指紋登録を実施する。 |
5月8日 砂川闘争はじまる(都下砂川町で立川基地拡張反対総決起大会が開催される)。 |
5月14日 ワルシャワ条約(ソ連・東欧8ヵ国による友好相互援助条約)調印。 |
5月24日 民戦を解散するため第6回臨時大会が開かれる。 |
※ 書記長李大宇(金忠権)が総括報告で過去の誤謬について自己批判し、「民戦を解散して新しく在日本朝鮮人総連合会を組織する」を決議し、民戦の解散を宣言する。 |
5月25-26日 在日本朝鮮人総連合会(総連)が結成される。 |
7月*日 石原慎太郎「太陽の季節」(『文学界』) |
7月9日 バーとランド・ラッセル、原水爆戦争の危険を各国首脳に警告する(ラッセル・アインシュタイン宣言)。 |
7月18-23日 米英仏ソ4国巨頭会談。具体的な成果はないが緊張緩和の気運が高まる。 |
7月31日 毛沢東、地方党委書記会議で「農業合作化問題について」を発表し、全国的な合作運動を提唱する。 |
8月15日 『私の創作と体験』(葦出版社) |
8月頃 金達寿、中野重治・西野辰吉と3人で北海道に行く。 |
9月20日 『前夜の章』(東京書林) |
10月13日 社会党統一大会。委員長に鈴木茂三郎・書記長に浅沼稲次郎が選出される。 |
11月1日 「炭礦で会った人」(『新日本文学』)。 |
11月1日 『後裔の街』(東方社) |
11月15日 自由・日本民主両党合同し、自由民主党が結成される、 |
11月16日 遠山茂樹・今井清一・藤原彰『昭和史』(岩波新書) |
12月1日 アメリカ・アラバマ州モンゴメリー市で、キング牧師が主導する黒人の人種差別撤廃バス・ボイコット運動おこる。 |
12月2-3日 (北朝鮮)労働党中央委員会第2期12時全員会議が開かれ、朴一禹らが粛正される。 |
12月15日 (北朝鮮)朴憲永に死刑が宣告される。20日頃、処刑される。 |
12月28日 (北朝鮮)金日成、「思想事業における教条主義と形式主義を排し、主体を確立することについて」演説する。 |
下半期 〝神武景気〟はじまる(~57年上半期)。 |
2月9日 (北朝鮮)日朝赤十字代表、両国居留民問題で会談を開始する(27日、共同声明)。 |
2月14-25日 ソ連共産党第20回大会開催。両体制の平和共存・戦争の宿命的不可避性の否定・社会主義への平和的移行の可能性などの路線を採択する。 |
2月24日 フルシチョフ、ソ連共産党第20回大会秘密会で、スターリン批判の演説をおこなう。 |
※ 6月4日、アメリカ国務省が内容を公表する。 |
2月27日 朝鮮と日本赤十字が、在日朝鮮人の帰国問題と共和国残留日本人帰国問題について会談する。 |
2月*日 中野好夫「もはや戦後ではない」(『文芸春秋』) |
3月1日 朝鮮総連中央常任委員会、「朝・日赤十字平和会談共同コミュニケ」の支持を声明する。 |
4月5日 中国の『人民日報』が「プロレタリア独裁の歴史的経験について」を発表する。大衆路線と集団指導の貫徹を主張・スターリンの功績を認め個人崇拝などを批判する。 |
4月17日 コミンフォルム解散。 |
4月23-29日 (北朝鮮)金日成、朝鮮労働党第3次大会での、中央委員会の事業総括報告のなかで、「在日朝鮮人学生たちが共和国北半部地域に来て勉強することを望むなら、いつでも歓迎し国家費用で……衣食住と学費一切を無償で与えることを政府が決定した」と声明する。また南労党系党員の大半が粛正される。 |
5月1日 「出動」(『新日本文学』) |
※ のち「故国の人」としてまとめられるものの一部。 |
5月2日 毛沢東、中国最高国務会議で、中国共産党と民主諸党派間の〝長期共存・相互監督〟を提唱。また学術研究の〝百家争鳴〟を示唆する。 |
6月1-23日 ユーゴスラヴィア大統領チトー、ソ連を訪問する。20日、両国・両党共同宣言発表(党間の友好・協力関係確立に合意)。 |
6月13日 イギリス軍、スエズ運河基地からの撤退を完了させ、イギリスの支配が終わる。 |
6月23日 エジプトの共和国憲法が採択されて民政に移行、ナセルが初代大統領に選出される。 |
7月1日 「僧侶・朴玄培の話──一九四六年二月の京城」(『文学構造』) |
※ のち「故国の人」としてまとめられるものの一部。 |
7月7日 北朝鮮へ帰国希望者約50名が大牟田港で帰国不許可となり、即時乗船させることを日本政府当局に要求する声明を発表する。 |
8月18日-12月30日 「日本の冬」(『アカハタ』)連載。 |
9月20日 『故国の人』(筑摩書房) |
9月20日 吉本隆明・武井照夫『文学者の戦争責任』 |
10月19日 モスクワで日ソ国交回復に関する共同宣言。 |
10月23日 ブダペストで学生・労働者の反政府暴動が起こる(ハンガリー事件の発端。翌24日、ソ連が鎮圧に出動する)。 |
10月29日 イスラエル軍がエジプトに侵入する(スエズ戦争はじまる)。 |
10月*日 大井廣介『左翼天皇制』 |
11月1日 中国、ハンガリー事件に関してソ連支持の声明を発表する。 |
11月*日 松下圭一「大衆国家の成立とその問題性」(『思想』) |
12月6日 北朝鮮へ帰国者第1陣23名がノルウェー船で門司港を出発。 |
※ 上海・北京経由で14日に平壌到着。 |
12月11-13日 (北朝鮮)労働党中央委員会12月全員会議。千里馬運動実施が決議される。 |
12月18日 国連総会、日本の国連加盟案を全会一致で可決する。 |
12月29日 中国の『人民日報』、「ふたたびプロレタリア独裁の歴史的経験について」発表。スターリン全面否定と修正主義とに反対、共産党間・社会主義国家間の独立と平等の関係を強調する。 |
12月30日 「日本の冬」連載終了。 |
── 記録映画が盛ん。 |
1月5日 アメリカ大統領アイゼンハワー、中東特別教書を議会に提出し、国際共産主義の危険阻止のための軍隊出動の権限・経済援助を要請する(アイゼンハワー・ドクトリン)。 |
1月18日 中ソ共同宣言。社会主義諸国の団結を強調する。 |
1月*日 中村光夫「二葉亭四迷伝」(『群像』~58年12月) |
2月*日 梅棹忠夫「文明の生態史観論序説」(『中央公論』) |
3月1日 朝鮮問題研究所の機関誌『朝鮮問題研究』が創刊される。 |
4月12日 西ドイツの物理学者18名、西ドイツの核武装計画に反対して〝ゲッチンゲン宣言〟を発表し、核兵器の製造・実験への参加を拒否する。 |
4月20日 『日本の冬』(筑摩書房) |
6月1日 金達寿、平和文化賞を受賞する。 |
6月25日 大熊信行『国家悪』 |
下半期 〝なべ底不況〟はじまる。(~58年下半期) |
7月25日 藤田省三『天皇制国家の支配原理』 |
10月4日 ソ連、人工衛星スプートニク1号の打ち上げに成功する。 |
11月*日 リアリズム研究会が結成される。 |
※ 結成時のメンバーは小原元・金達寿・窪田精・霜多正次・西野辰吉の5名。 |
11月6日 日本共産党、故徳田球一書記長を批判した政治報告要旨を発表する。 |
11月10日 中国共産党中央、ソ連に「平和移行問題についての意見要綱」を提出し、ソ連共産党の平和移行論を批判する。 |
11月12日 丸山真男「日本の思想」(『岩波講座 現代思想』11巻) |
11月18日 毛沢東、モスクワの共産党・労働者等代表者会議で演説「東風は西風を圧す」。〝アメリカ帝国主義は張り子の虎〟論を展開する。 |
12月26日 アジア=アフリカ人民連帯会議がカイロで開かれる。 |
12月*日 (北朝鮮)金科奉ら延安派幹部が粛正される。 |
1月1日 アジア=アフリカ人民連帯会議、〝連帯宣言〟(カイロ宣言)と帝国主義反対・アルジェリア民族解放闘争(57年10月24日勃発)支持・経済発展・軍縮要求の諸決議を決定する。 |
2月1日 〝李ライン〟侵犯を理由に韓国に抑留されていた漁民300名が帰国(900名抑留)。 |
3月3-6日 (北朝鮮)労働党第1回代表者会議が開かれ、反金日成勢力の排除が一段落する。 |
4月15-22日 第1回アフリカ独立諸国会議がアクラで開かれる。アフリカ統一問題が討議される。 |
4月*日 金達寿、腹痛で入院する。 |
5月10日 『番地のない部落』(光書房) |
6月1日 全学連共産党グループが党中央と対立する。 |
下半期 〝岩戸景気〟はじまる(~61年下半期) |
8月1日 総連神奈川県川崎支部中留分会の在日朝鮮人たち、帰国に対する切実な心情を込めて金日成に手紙を送る。 |
※ 総連がまとめて送ったのは8月11日。 |
8月7日 「まくわ瓜と皇帝」(『2日』)。 |
8月17日 小松川事件がおこる。 |
※ 小松川高校の女子高生が殺害され、同高校の在日朝鮮人学生・李珍宇が9月1日逮捕される。 |
8月29日 中国共産党中央政治局、〝農村において人民公社を設立する問題についての決議〟を採択する。人民公社建設運動が全国化する。 |
9月1日 「密航者」(『関西公論』)。 |
9月24日 『朝鮮──民族・歴史・文化』(岩波書店) |
10月9日 岸信介首相、アメリカNBC放送のブラウン記者と会見し、〝憲法9条廃止の時〟と言明。 |
※ 10-11月にかけて反対運動がおこる。 |
10月25日 朝鮮総連の機関誌『朝鮮民報』に、金達寿の『朝鮮』を、主体性がないと非難する記事が掲載される。 |
※ 朝鮮総連による『朝鮮』批判の最初。 |
10月30日 朝鮮総連、全国各地で北朝鮮への帰国要請運動を展開、第1次全国統一行動を実施する。 |
※ 586ヵ所で7万余名の朝鮮人が要請運動に参加する。 |
11月1日 「朴達の裁判」(『新日本文学』) |
12月9日 (北朝鮮)朝鮮オリンピック委員会、南北統一チーム派遣を提議する。 |
1月1日 「まくわ瓜と皇帝」(『鶏林』 再録)。 |
1月1日 (北朝鮮)南日外交部長、在日朝鮮人の帰国実現を要求する。 |
1月1日 カストロ指揮のキューバ革命軍、バチスタ政権を打倒する。2月16日、カストロが首相に就任する。 |
1月10日 思想の科学研究会編『共同研究転向』上巻 |
※ 中巻は60年2月20日、下巻は62年4月20日。 |
1月20日 芥川賞選考委員が開かれ、第40会芥川賞が「該当なし」に決定される。 |
1月30日 朝鮮総連、総連代表600名が朝鮮公民の北朝鮮への帰国を要請するため、要請書と署名簿を日本政府に提出する。 |
1月── (北朝鮮)金日成革命家系化運動が開始される。 |
2月2日 民団中央、「北韓送還反対闘争委員会」を設置する。 |
2月13日 (北朝鮮)日本政府、在日朝鮮人の帰国希望者に「基本的人権の居住地域の選択の自由という国際通念により処理される」立場から、帰国措置を講ずる件で、同日の藤山外相報告を閣議了承する。これにより、正式に在日朝鮮人の北朝鮮送還が決定される。 |
3月1日 「委員長と新分会長」(『文学界』)。 |
3月8日 (北朝鮮)千里馬作業班運動が始められる。 |
4月1日 「朴達の裁判」(『文藝春秋』 再録) |
4月15日 安保阻止国民会議第1次統一行動、東京日比谷公園で中央集会をおこなう。 |
5月11日 (北朝鮮)『朝鮮通史』(科学院出版社)の刊行が発表される。 |
5月30日 『朴達の裁判』(筑摩書房) |
6月1日-7月25日 金達寿、急性肝炎のため入院する。 |
8月2-16日 中国共産党第8期第8回中全会が開かれる(廬山会議)。中ソ対立・大躍進・人民公社をめぐって論戦する。 |
8月13日 朝・日両赤十字社代表、在日朝鮮人の帰国に関する協定をカルカッタで調印する。 |
9月28日 「壺村吉童伝の試み」(『別冊文藝春秋』)。 |
9月30日-10月3日 フルシチョフが中国を訪問し、毛沢東と会談する。共同声明は出されず、中ソの意見対立が激化する。 |
10月26日 自民党両院議員総会、安保改定の党議を決議する。 |
11月1日 「日本にのこす登録証」(『別冊週刊朝日』)。 |
11月27日 安保阻止第8次統一行動、国会請願のデモ隊約2万名が国会構内に入る。 |
12月11日 三池争議がはじまる。 |
12月14日 (北朝鮮)北朝鮮への第1次帰国船が新潟港より出港する。 |
※ 238世帯975名。16日、清津港に到着。 |
1月1日 「開拓地のある村」(『映画評論』)。 |
1月1日-63年4月1日 「密航者」(『リアリズム』)連載開始。 |
1月*日 倉橋由美子「パルタイ」(『明治大学新聞』) |
3月11-18日 劇団七曜会が「朴達の裁判」を上演する。 |
3月15日 (韓国)正副大統領選挙が実施される。また第1次馬山事件おこる(不正選挙に抗議する高校生・市民デモに警官隊が発砲。死者8名)。 |
3月18日 (韓国)中央選挙管理委員会、選挙結果発表。国会、民主党議員が選挙の無効を宣言して退場する。 |
4月11日 (韓国)第2次馬山事件(警官隊、デモ隊に発砲。死者2名)。 |
4月16日 中国の『紅旗』、「レーニン主義万歳」を発表。ソ連の平和共存政策への批判が公然化する。 |
4月19日 (韓国)四月革命おこる(ソウル市内27大学生が決起。市民数万人も参加、警察隊と衝突して死者183名。政府、主要5都市に非常戒厳令布告。)。 |
4月27日 (韓国)李承晩、大統領辞任書を国会に提出して受理される。 |
5月28日 グアム島から元日本兵2人が帰国する。 |
5月28日 岸信介首相、記者会見で〝声ある声〟を批判、〝声なき声〟に耳を傾けると応答する。 |
5月29日 (韓国)李承晩がハワイに亡命する。 |
5月31日 ガルブレイズ(鈴木哲太郎訳)『ゆたかな社会』 |
6月10日 アメリカ大統領新聞係秘書ハガチー来日。羽田空港でデモ隊に乗用車を包囲され、米軍ヘリコプターで脱出する。 |
6月15日 全学連主流派、国会突入をはかり警官隊と衝突、樺美智子死亡する。 |
6月21日 フルシチョフ首相、ルーマニア労働党第3回大会で、帝国主義が存在しても戦争は阻止しうると演説し、中国に反論する。 |
6月23日 新安保条約批准書交換・発効する。 |
6月28日 「夜きた男」(『別冊文藝春秋』)。 |
7月11日 コンゴ戦争はじまる。 |
7月18日 パッペンハイム(粟田賢三訳)『近代人の疎外』 |
7月31日 マックス・ウェーバー『経済と社会』の訳書刊行開始。 |
8月23日 (韓国)張勉政権が成立する。 |
9月18日 堀田善衛「海鳴りの底から」(『朝日ジャーナル』~61年9月24日)。 |
9月10日 ラオスの内戦が本格化する。 |
10月8日 北朝鮮への帰国協定無修正延長を要求して日本全国530ヵ所で115,000余名が参加して一斉に統一行動が始まる。 |
10月12日 浅沼稲次郎社会党委員長、日比谷の3党首立会演説会で右翼少年山口二矢に刺殺され死亡。 |
10月27日 北朝鮮赤十字会代表、日本赤十字社代表と新潟市、新潟港の帰国船トボリスク号内で帰国協定延長について合意する。 |
11月10日 深沢七郎「風流夢譚」 |
12月1日 釜山と博多間に海上定期航路が開設する。 |
12月14日 国連総会、植民地独立宣言を採択する。アジア・アフリカ43ヵ国が提出。〝あらゆる形態の植民地主義は急速かつ無条件に終結させる必要がある〟。 |
12月27日 池田勇人内閣閣議、国民所得倍増計画(高度経済成長政策)を決定する |
── この年、アフリカ諸国が次々に独立する。中国で大規模な〝自然災害〟がおこり、〝大躍進〟中絶。 |
1-2月*日 大江健三郎「セブンティーン」(『文学界』) |
2月2日 神島二郎『近代日本の精神構造』 |
2月15日 『朝鮮問題研究』から『月刊朝鮮資料』に改題して創刊される。 |
3月28日 朝鮮作家同盟の委任にて、アジア・アフリカ作家会議東京大会に在日朝鮮文学芸術家同盟代表が参加する。 |
4月11日 イスラエルでアイヒマン裁判がはじまる。12月15日、死刑判決。 |
5月1日 「日本人妻物語」(『別冊週刊朝日』)。 |
5月3日 柳宗悦死去(72歳)。 |
5月16日 (韓国)軍事クーデターが起こる。軍事革命委員会が組織され、全土に非常戒厳令が布告される。 |
5月23-25日 朝鮮総連第6次全体大会が開催される。 |
※ 「チュチェ思想を総連事業の指針にして主席が創造された青山里精神・青山里方法を具現した総連事業を人との活動に転換させることに対して」討議決定。「青山里精神・青山里方法」とは、思想的に進んでいる者が遅れた者を指導して導くというもの。 |
5月29日 南北平和統一文化交流促進在日文化人会議が開かれる。 |
6月21日 ロストウ(木村健康ほか訳)『経済成長の初段階』 |
7月3日 (韓国)朴正熙少将が国家再建最高会議議長に就任する。 |
7月4日 (韓国)反共法が公布される。 |
8月13日 東ドイツ政府、東西ベルリンの境界に壁を構築する。 |
8月20日 朝鮮総連と民団文化人有志ら共催で8・15解放慶祝文化祭を開き、在日同胞の思想を超越した民族的団結を決議する。 |
8月28日 韓国の『民族日報』社長の趙鏞寿らに対する死刑判決に在日本朝鮮言論出版人協会が糾弾声明を発表する。 |
9月15日 住井すゑ『橋のない川』(~64年4月30日) |
9月25日 「白昼夢」(『日本読書新聞』)。 |
10月5日-11月5日 「黄嗣永の殉教」(『BOOKS』 全2回)。 |
11月11日 朴正熙が来日する。12日に池田首相と会談する。 |
※ 11日、朝鮮総連と民団有志ら、朴正熙一派の来日と「日韓会談」に反対する大会が東京で開かれ、朝鮮総連・民団有志や文化人らが都内各駅で朴正熙来日反対のビラを捲く。 |
11月20日 山崎功監訳『グラムシ選集』(~65年3月25日) |
12月21日 中央公論社、『思想の科学』天皇制特集号を、〝業務上の都合〟を理由に発売中止。 |
12月21日 (韓国)趙鏞寿らが処刑される。 |
2月24日 憲法調査会、改憲の是非をめぐって初の公聴会を東京で開催する。 |
3月1日 「孤独な彼ら」(『新日本文学』) |
4月27日 『岩波講座 日本史』(~64年2月28日 全23巻) |
5月1日 『リアリズム』が『現実と文学』(9号=創刊号)に改題される。 |
5月17日 大日本製薬、西ドイツでサリドマイド系睡眠薬による奇形児が問題化したため、自主的に出荷を中止する。 |
7月3日 アルジェリアがフランスから正式に独立する。 |
8月30日 『現代史資料』(みすず書房 ~80年2月25日 全45巻) |
8月*日 佐々木基一「「戦後文学」は幻影だった」(『群像』)。戦後文学論争がおこる。 |
10月22日 キューバ危機(ケネディ大統領、キューバにソ連がミサイル基地を建設中と発表し、キューバ海上封鎖を声明する)。 |
11月12日 韓国情報部長金鐘泌、大平正芳外相と会談し、請求権について無償3億ドル・有償2億ドルで歩み寄る。 |
11月16日 李珍宇が死刑に処される。 |
11月20日 高橋和巳『悲の器』 |
12月1日 「中山道」(『新日本文学』)、「将軍の像」(『文化評論』)。 |
12月2日 イタリア共産党トリアッティ、党大会で中国共産党を批判する。 |
1月1日 『朝陽』創刊。 |
1月9日 アメリカ大使ライシャワー、大平正芳外相に、原子力潜水艦の日本寄港承認を申し入れる。 |
1月24日 南北オリンピック委員会、統一チーム結成交渉開始。 |
1月25日 『夜きた男』(東方社) |
2月20日 『人民日報』、中ソ対立をめぐるソ連・各国共産党の論文・演説の掲載を開始。公開論争が激化する。 |
2月25日 日朝協会、関東大震災朝鮮人犠牲者調査委員会を設ける。 |
3月1日 「一九六三年一月」(『朝陽』)。『朝陽』2号で終刊。 |
4月1日 「密航者」完結。 |
6月30日 『密航者』(筑摩書房) |
6月*日 奥野健男「「政治と文学」論争の破綻」(『文芸』)。 |
7月256日 米英ソ3国核実験停止会議で、部分的核実験停止条約(大気圏内・宇宙空間および水中における核兵器実験を禁止する条約)仮調印。10月10日発効。 |
8月15日 政府主催の第1回全国戦没者追悼式が、東京の日比谷公会堂で挙行される。 |
8月28日 アメリカで人種差別撤廃・雇用拡大要求の〝ワシントン大行進〟。 |
9月*日 林房雄「大東亜戦争肯定論」(『中央公論』~65年6月) |
11月1日 「慰霊祭」(『現代の眼』) |
11月1日 南ベトナムで軍部によるクーデター(指導者ドン=バンミン少将)おこる。 |
11月10日 日本共産党、中ソ論争に対する自主独立の態度を『アカハタ』で発表する。 |
11月15日 「ソウルの邂逅」(『文化評論』) |
11月22日 ケネディ大統領、テキサス州ダラスで暗殺される。 |
11月24日 (韓国)朴正熙が大統領選挙で当選する。 |
12月2日 (韓国)朴正熙、民主共和党議長に元KCIAの金鐘泌を指名する。 |
12月15日 12月8日に刺された力道山が死亡。 |
1月8日 (韓国)韓国政府、南ベトナムへの派兵を決定する。 |
1月9日 (韓国)朴正熙大統領、年頭記者会見で南ベトナム派兵、日韓会議年内妥結を言明する。 |
1月11日 中教審〝期待される人間像〟中間草案を発表する。 |
1月*日 井伏鱒二「姪の結婚」(『新潮』 ~66年9月 のち「黒い雨」)、中野重治「甲乙丙丁」(『群像』 ~69年9月) |
2月4日 『日本の歴史』(中央公論社 ~67年3月15日 全26巻) |
2月7日 アメリカ、北ベトナム(ソ連首相訪問中)のドンホイを爆撃する(北爆開始)。 |
3月7日 アメリカ海兵隊、南ベトナムのダナンに上陸する。アメリカの直接介入開始。 |
3月24日-4月3日 (韓国)第1回日韓外相会談。 |
4月24日 ベトナムに平和を!市民文化団体連合(ベ平連)主催の、初のデモ行進。 |
5月28日 山一証券事件(田中角栄蔵相、深夜の記者会見で証券緊急対策として山一証券に無制限・無期限の日銀特別融資を発表(日銀法第25条適用))。 |
6月1日 「公僕異聞」(『現実と文学』) |
6月9日 ベトナム侵略反対の社会・共産党系の〝1日共闘〟実現(破防法反対デモ以来、最大規模の集会・デモ。参加者37,000名)。 |
6月12日 家永三郎、教科書検定を違憲とする国に対し、賠償請求の民事訴訟をおこす。 |
6月18日 金達寿の母・孫福南が死去する。享年74歳。 |
6月22日 (韓国)日韓条約および諸協定正式調印(東京)。 |
※ 漁業・請求権・在日韓国人の法的地位・文化協力4協定などの調印。12月18日、発効。 |
6月25日 上田正昭『帰化人』(岩波新書) |
6月25日 『公僕異聞』(東方社) |
下半期 〝いざなぎ景気〟(~70年下半期)。 |
7月2日 (韓国)政府、戦闘部隊1個師団の南ベトナム派遣を決定する。 |
7月19日 (韓国)李承晩がハワイで死去する。 |
8月14日 (韓国)韓国国会、日韓条約を与党単独で批准する。 |
8月19日 佐藤栄作首相、沖縄を訪問する(戦後初の首相訪問)。祖国復帰実現要求のデモに宿舎を囲まれ、アメリカ軍基地内で宿泊する。 |
9月1日 インド・パキスタン両軍、カシミールで衝突する(印パ戦争)。 |
10月1日 『現実と文学』が50号で終刊する。 |
10月1日 インドネシアでウントン中佐らのクーデタ失敗。10月3日、陸軍、共産党の弾圧を開始すると発表(大量逮捕と虐殺開始)。 |
10月12日 (韓国)南ベトナム派遣猛虎部隊歓送式。 |
11月8日 井上光貞『日本古代国家の研究』 |
11月10日 江上波夫・石田英一郎ら編『シンポジウム 日本国家の起源』 |
11月19日 閣議、財政処理のための国債発行を決定する(戦後初の赤字国債)。 |
12月1日 『民主文学』創刊。 |
12月18日 (韓国)日韓条約諸協定批准書の交換で国交正常化。 |
── 戦後最大の証券不況。 |
1月17日 日本政府、韓日条約の法的地位協定発効により、韓国籍の在日朝鮮人の永住権申請の受理を開始する。 |
1月31日 東京高等裁判所、八幡製鉄政治献金事件につき、政治献金は社会的に有用な行為、会社の目的に属するという判決を出す。 |
2月19日 政府、衆議院予算委員会で〝核の傘〟について統一見解を発表する。 |
3月29日 毛沢東主席、宮本顕治日本共産党委員長との会談で、〝3・27〟両党合意の北京コミュニケを破棄する(対ソ問題で両党の関係悪化)。 |
4月1日 「苗代川」(『民主文学』) |
4月25日 『後裔の街』(東風社) |
5月13-14日 劇団労働芸術劇場が「朴達の裁判」を上演する。 |
5月16日 中国で文化大革命がはじまる(中国共産党中央委員会、各級機関に対して彭真らの〝2月提綱〟批判と中央文化革命小組設置の決定を通達)。 |
6月25日 『朴達の裁判』(東風社) |
6月30日 ザ・ビートルズが日本武道館で公演する。 |
7月11日 広島市議会、原爆ドームの永久保存を決議する。 |
10月31日 中教審、〝後期中等教育の拡充整備について〟最終答申。〝期待される人間像〟は別記にとどめる。 |
12月8日 建国記念日審議会、建国記念の日を2月11日と答申。9日公布。 |
── 中国文化大革命に対する議論が盛ん。 |
1月9日 アメリカ国防省、ベトナム戦争参戦の米軍は473,000名と発表(朝鮮戦争最盛時を越える)。 |
1月24日 『赤旗』、「紅衛兵の不当な非難に答える」を発表し、初めて公然と中国共産党を批判する。 |
1月*日 大岡昇平「レイテ戦記」(『中央公論』 ~69年7月)、大江健三郎「万延元年のフットボール」(『群像』 ~7月) |
3月15日 『赤旗』、毛沢東一派を名指しで批判する。 |
4月5日 岡山大学教授小林純、富山県の奇病〝イタイイタイ病〟は三井金属神岡工業所の排水が原因と発表する。 |
5月2日 バートランド・ラッセル主催のベトナム戦犯裁判がストックホルムで開廷する。10日、アメリカに有罪の判決。 |
6月5日 アラブ諸国・イスラエル間に戦闘開始(第3次中東戦争)。 |
6月6日 閣議、資本取引自由化方針を決定する。 |
6月23日 家永三郎、新たに国に対して教科書不合格処分取り消しの行政訴訟をおこす。 |
7月12日 日本政府、在日朝鮮人の北朝鮮への帰国申請受理を一方的にうち切る。 |
7月23日 アメリカのデトロイト市で史上最大の黒人暴動がおこる。 |
7月24日 教育課程審議会、「小学校教育課程改善についての中間まとめ」発表(〝国民性の育成〟を強調、社会科に神話・伝承を導入など)。 |
9月1日 四日市ぜんそく患者9名、石油コンビナート9社を相手に慰謝料請求訴訟(初の大気汚染公害訴訟)。 |
9月10日 金石範『鴉の死』 |
9月30日 『矢の津峠』(麥書房) |
10月16日 アメリカの30都市で反戦デモ。21日にはワシントンで10万名参加の反戦集会。デモ隊が国防省玄関前で座り込みをおこなう。 |
11月2日 那覇市で沖縄即時無条件返還要求県民大会が開催され、約10万名が参加する。 |
11月15日 ワシントンで日米共同声明発表(沖縄返還の時期を明示せず。小笠原は1年以内に返還)。 |
1月7日 日本共産党、安全保障政策を発表し、日本は主権と独立を守る固有の自衛権を持つと表明する。 |
1月19-23日 アメリカ原子力空母エンタープライズが佐世保に寄港。 |
1月26日 日本政府、日赤新潟センターを閉鎖する。 |
1月29日 東大医学部学生自治会、医師法改正(インターン制に代わる登録医師制)に反対して無期限ストに入る(東大紛争の発端)。 |
1月30日 南ベトナム全土で、南ベトナム解放民族戦線軍・北ベトナム軍、大攻撃を開始する(テト攻勢)。 |
2月20日 金嬉老が静岡県榛原郡本川根町の寸叉峡温泉で、経営者・宿泊客ら13人を人質に籠城する。 |
3月16日 南ベトナムのソンミでアメリカ軍による村民大虐殺事件がおこる(ソンミ事件)。 |
4月4日 アメリカの黒人運動指導者キング牧師がメンフィスで撃たれて死亡する。 |
4月17日 美濃部達吉東京都知事、朝鮮大学校を各種学校として認可する。 |
5月3-4日 フランス・パリ大学ナンテール分校などが学生と警官乱闘事件で閉鎖され、学生デモが広がる(〝5月危機〟おこる)。 |
7月1日 核拡散防止条約がワシントン・モスクワ・ロンドンで調印される(62ヵ国)。 |
7月29日-8月1日 チェコのチェルナでソ連・チェコ首脳会談。8月3日、ブラチスラバでソ連・東欧6ヵ国首脳会談がおこなわれ、社会主義の成果維持・ワルシャワ条約強化が宣言される。 |
8月20日 チェコ事件おこる(ソ連・ポーランド・東ドイツ・ハンガリー・ブルガリア5ヵ国軍がチェコに侵入する)。 |
8月23日 『人民日報』、ソ連・チェココミュニケを批判し、ソ連を〝社会帝国主義〟と非難する。 |
9月1日 「太白山脈」連載完結。 |
9月5日 中国新彊ウイグル自治区とチベット自治区に革命委員会が成立し、全一級行政区に革命委員会が成立する。 |
10月13-31日 中国共産党第8期第12回中全会開催。劉少奇の除名・あらゆる職からの解任が決議される。 |
10月17日 川端康成がノーベル文学賞を受賞する。 |
10月23日 明治百年記念式典が日本武道館で開催される。 |
10月28日 チェコ共産党第1書記ドプチェク、対ソ協力強調の演説。各地に反ソデモがおこる。 |
10月31日 アメリカ大統領ジョンソン、すべての北ベトナム攻撃停止、パリか和平会談への南ベトナム政府と解放民族戦線の参加を演説する。 |
12月15日 吉本隆明『共同幻想論』 |
── 欧米やアジア諸国で学生運動・デモが頻発する。 |
1月18-19日 東大安田講堂封鎖解除に機動隊などが導入される。 |
1月25日 第1回ベトナム和平拡大パリ会談開催。 |
1-8月*日 山口昌男「道化の民俗学」(『文学』) |
3月8日 記録映画「高麗村」が完成する。 |
3月25日 『日本のなかの朝鮮文化』(朝鮮文化社)創刊。 |
4月1日 司馬遼太郎『坂の上の雲』(~72年9月25日 全6巻 文芸春秋社) |
4月7日 68年10月11日に東京のプリンスホテルでガードマンが射殺された事件などで、永山則夫が逮捕される。 |
4月28日 沖縄デー。社会党・共産党・総評、沖縄返還問題で初の統一中央大会(代々木公園)、13万名が参加。 |
5月30日 『太白山脈』(筑摩書房) |
7月20日 アメリカの宇宙船アポロ11号、月面に着陸する。 |
10月25日 平田清明『市民社会と社会主義』 |
10月30日 金錫亨(朝鮮史研究会訳)『古代朝日関係史──大和政権と任那』 |
※ この頃、朝鮮側からの日本古代史研究が盛ん。 |
11月21日 19日から会談の佐藤栄作首相とニクソン大統領による共同声明発表。 |
※ 安保条約堅持・事前協議に弾力性・韓国と台湾の安全重視・日本の核政策尊重・72年施政権返還、また貿易自由化を強調する。 |
12月20日 保田与重郎『日本浪漫派の時代』 |
── 社用天国(全国94万企業の交際費、サラリーマン2600万名の天引き所得税を上回る)。 |
1月1日 『思想の科学』で「朝鮮遺跡の旅」の連載が始まる。のち『日本の中の朝鮮文化』としてまとめられるシリーズの始まり。 |
1月7日 日本考古学協会、埋蔵文化財破壊の現状を公表。主要なものだけでも152件。 |
1月28日 東京地方裁判所、メーデー事件に一部騒乱罪の成立を認め、93名が有罪となる。 |
※ 84年、被告全員に無罪判決(確定)。 |
2月1日 「高麗青磁」(『世界』) |
2月7-9日 アラブ交戦5ヵ国(アラブ連合・イラク・シリア・スーダン・ヨルダン)首脳会議開催。アメリカのイスラエル武器供与を非難し、パレスチナ解放のため総動員する決意を表明する。 |
2月10日 沼正三『家畜人ヤプー』 |
3月5-12日 『朝日新聞』、「ルポ・精神病棟」で治療の貧困、経理の乱脈を報道する。 |
3月14日-9月13日 日本万国博覧会EXPO'70開催。 |
3月31日 よど号事件(日本赤軍派に乗っ取られた日航機が金浦空港に着陸。4月3日平壌に到着)。 |
3月31日 中根千枝『家族の構造──社会人類学的分析』 |
5月20日 (韓国)各新聞、在日「韓国籍」保持者で「永住権を取得した人に兵役召還免除」記事が問題化する。 |
5── この頃、東京朝鮮高等学校の生徒に対する集団暴行事件が多発する。 |
6月19日 関釜フェリー、〝フェリー関釜〟就航。 |
6月23日 日米安保保障条約、自動延長(以後1年の予告期間で条約を解消できる)。 |
6月24日 最高裁、会社の政治献金は一定の限度内なら合法と判決(八幡製鉄事件)。 |
6月29日 アメリカ軍、カンボジアからの撤退を完了する。 |
10月8日 ソルジェニーツィン、ノーベル文学賞を受賞する。 |
10月21日 京橋水谷公園で女性200名が女性解放集会を開き、デモをおこなう(ウーマン・リブ)。 |
11月13日 シリアでクーデターがおこり、アサド国防相が実権を握。 |
11月25日 三島由紀夫が東京市谷の陸上自衛隊東部方面総幹部を占拠し、バルコニーより憲法改正のクーデターを訴えて失敗。割腹自殺する。 |
11月*日~71年8月 安宇植「金史良論──その抵抗の生涯」(『文学』) |
12月18日 金達寿『日本の中の朝鮮文化』(第1巻。講談社) |
12月20日 沖縄コザ市で未明、アメリカ軍MPの交通事故処理により市民が憤激、MPの威嚇発砲により焼き討ちの反米行動に拡大する。 |
── 〝いざなみ景気〟終わる。公害問題が全国に拡大する。地方各県で文化施設の充実がはかられる。 |
1月30日 石母田正『日本の古代国家』 |
2月25日 土井健郎『甘えの構造』 |
3月4日 パレスチナ民族評議会、パレスチナ・ゲリラ組織をPLOの指導下に統一する計画を承認する。 |
3月10日 エリアス・カネッティ(岩田行一訳)『群衆と権力』(~11月15日 全2巻) |
4月16日 天皇・皇后が初めて広島を訪問する。 |
4月20日 (韓国)韓国に留学中の徐勝兄弟が反共法違反で逮捕される。 |
5月12日 (北朝鮮)帰国再開第1船の帰国船「万景峰」(北朝鮮の建造船)が新潟に入港する。 |
6月17日 沖縄返還協定調印。 |
6月23日 宮本顕治共産党委員長、〝プロレタリアート独裁〟の表現をあらため、〝プロレタリアート・ディクタツーラ〟を仕様と表明する。 |
7月9-11日 アメリカ大統領補佐官キッシンジャー、秘密裏に中国を訪問。 |
7月*日 李恢成「砧をうつ女」(『季刊芸術』) |
8月6日 佐藤栄作首相、広島市での第26回平和記念式典に現職首相として初めて出席する。 |
8月12日 (韓国)大韓赤十字社、南北離散家族を捜すための南北赤十字会談を朝鮮赤十字会に提唱する。以後、両国赤十字による会談が進む。 |
8月15日 ドル・ショック(アメリカ大統領ニクソン、金とドルの交換一時的停止・10%の輸入課徴金実施などのドル防衛措置を発表)。 |
8月16日 アメリカのドル防衛措置発表で東証ダウ株価大暴落。 |
9月8日 中国共産党副主席林彪、毛沢東暗殺の武装クーデターをおこして失敗。13日飛行機で逃亡をはかり、モンゴルで墜落死する。 |
10月21日 志賀直哉没(88歳)。 |
10月25日 中国の国連復帰が決定される。 |
12月3日 インド・パキスタン紛争が全面状態となる(印パ戦争)。12月17日戦争終結。 |
2月2日 1月24日にグアム島で発見された横井庄一が帰国する。 |
2月3-13日 第11回冬季オリンピック札幌大会開催。 |
2月21-27日 アメリカ大統領ニクソン、中国を訪問。毛沢東・周恩来と会談し、共同声明〝上海コミュニケ〟を発表する。 |
※ 平和5原則の適用、すべての中国人が台湾を中国の一部と考えていることをアメリカが承認、など。 |
2月28日 浅間山荘事件で機動隊が突入する。 |
3月*日 李恢成が「砧をうつ女」(『季刊芸術』18号 1971年7月)で第66回芥川賞を受賞する。 |
※ 在日朝鮮人として初めての受賞。 |
3月21日 高松塚壁画古墳の石室内部から極彩色の壁画が発見される。 |
4月9日 金達寿・上田正昭を臨地講師とした「日本のなかの朝鮮文化遺跡めぐり」が始まる。 |
4月12日 韓国中央情報部(KCIA)、諷刺詩「蜚語」発表の詩人金芝河を連行。7月15日釈放。 |
5月1日 「ある邂逅」(『文芸』) |
5月12日 アメリカの沖縄民政府が解散し、アメリカの沖縄統治27年に終止符が打たれる。 |
5月15日 沖縄の施政権が返還され、沖縄県が発足する。 |
5月16日 金達寿、国分寺市公民館で「日本人と朝鮮人」の演題で予定されていた講演会が中止される。 |
5月30日 パレスチナ解放人民戦線(PFLP)の日本人兵士3名、イスラエルのテルアビブ空港で自動小銃を乱射し、26名が死亡する。 |
6月11日 田中角栄通産省、政権構想の柱として〝日本列島改造論〟を発表する。 |
6月17日 アメリカ、盗聴器を仕掛けようとして民主党全国委員会本部に侵入しようとした5名を逮捕する(ウォーターゲート事件の発端)。 |
7月1日 『朴達の裁判』(東邦出版社) |
7月4日 南北共同声明発表(声明は7項目から成り、第1項で①外部勢力に依存せず、②武力によらず平和的な方法による、③思想・制度を超えて民族的大同団結をはかる、とする「祖国統一3原則」に合意)。 |
9月7日 イスラエル軍がレバノンへ侵入する。中東の緊張が高まる。 |
9月29日 日中両国首相、日中共同声明に調印し、国交を樹立する。日中戦争状態終結・国交正常化。 |
10月1-10日 高松塚古墳の総合学術調査がおこなわれる。韓国・北朝鮮・フランスの研究者、考古学・歴史学などの専門家が参加する。 |
10月3日 李進熙『広開土王陵碑の研究』 |
※ 12月の史学会大会で碑文の文字について論争。 |
10月25日 (韓国)政府、セウマル運動計画を発表する。 |
11月5日 上野公園でジャイアントパンダが初公開される。 |
11月13日 「東アジアの古代文化を考える会」が発足する。 |
11月13日 岡田嘉子が34年ぶりにソ連から帰国する。 |
12月12日 朝鮮総連第1副議長の金炳植が解任される。 |
1月1日 国際石油資本(カルテックスを除く)、日本への原油価格を7~10%値上げする。 |
1月27日 アメリカ・南ベトナム・北ベトナム・南ベトナム臨時革命政府、ベトナム和平協定と議定書に調印する。 |
1月29日 アメリカ大統領ニクソン、ベトナム戦争終結を宣言する。 |
1月30日 『金史良全集』(河出書房新社 ~74年9月30日 全4巻) |
2月12日 ドル売り激化、ヨーロッパの外国為替市場一斉閉鎖。アメリカ、ドル10%の切り下げを決定し、通貨・貿易・投資に一連の対策を発表する。 |
2月14日 大蔵省、外国為替相場の変動幅制限を停止。変動相場制へ移行する。15日の為替相場、1ドル=264円に急騰する。 |
2月24日 金達寿・司馬遼太郎・上田正昭が発起人となり、『日本の中の朝鮮文化』掲載の座談会と論文が出版されたことを祝って出版記念会が催される。 |
2月24日 古川鉱業が足尾銅山を閉山する。 |
4月17日 春闘共闘委員会、初めて年金改善・週休2日制など〝制度的要求〟を掲げ、国労・電機労連など53単産スト。 |
4月23日 阿部知二死去(69歳) |
5月*日 T・K生「韓国からの通信」(『世界』)連載開始。 |
6月4日 中沢啓治「はだしのゲン」(『週刊少年ジャンプ』~74年9月30日) |
6月17日 金嬉老事件の判決公判。無期懲役の判決が下される。 |
6月23日 韓国の朴正熙大統領、韓国と北朝鮮の国連同時加盟を提案。これに対し北朝鮮の金日成主席、国号を「高麗連邦共和国」とし、一つの国家で国連へ加盟すべきと反論する。 |
8月2日 中国の『人民日報』、孔子批判の論文を掲載する。 |
8月8日 (韓国)前新民党大統領候補の金大中、白昼東京のホテルから拉致される。13日、ソウルの自宅に無事帰宅。 |
10月6日 エジプト軍がスエズ運河東岸へ、シリア軍はゴラン高原へ、ともに進撃してイスラエル軍と交戦する(第4次中東戦争はじまる)。 |
10月17日 ペルシャ湾岸6ヵ国、石油公示価格21%引き揚げを宣言する。OAPEC10ヵ国石油担当相会議、アメリカなどイスラエル支持国向けの石油生産を9月比で月5%ずつ削減することを決定する(石油戦略の発動)。 |
10月23-25日 石油メジャーが相次いで原油価格を引き上げ、第1次オイルショックがはじまる。 |
12月5日 金達寿など、日本在住の韓国系・北朝鮮系の作家や評論家、学者ら21名が、東京・文京区の日本出版クラブ会館で「韓国学生・知識人のたたかいを支持する在日朝鮮人の集い」を開き、朴政権に抗議する声明文を発表する。 |
12月15日 OAPCE石油相会議、日本への石油は必要量を供給、日本を友好国と宣言する。 |
12月22日 国民生活安定緊急措置法・石油需給適正化法公布。臨時閣議、日本経済が石油需給適正化法にいう〝緊急事態〟にあると認定。国民生活安定緊急対策本部初会議で、石油・電力供給20%削減ほか緊急対策を決定する。 |
12月27日 日本政府、北朝鮮向けタオル製造プラント輸出に、日本輸出入銀行資金の使用を認可すると発表(北朝鮮への最初の融資適用)。 |
── 関東大震災50周年を記念し、関連書籍の編纂・出版が盛ん。 |
1月26日 ベ平連、解散集会。 |
2月13日 ソ連、ソルジェニーツィンの市民権を剥奪し、国外追放処分とする。 |
4月24日 (韓国)早川嘉春と太刀川正樹をスパイ容疑で逮捕(4月5日)したと発表する。72年2月17日釈放。 |
6月19日 朴鐘碩は日立製作所入社拒否事件の裁判で勝訴する。 |
※ 8月27日に日立製作所に入社。 |
7月2日 中央選挙管理会委員長堀米正道、参議院選挙につき個人の資格で、〝企業ぐるみ選挙〟を批判する異例の見解を発表する。 |
7月11日 (韓国)韓国非常軍法会議、民生学連事件で〝人民革命党〟グループ7名に死刑判決。 |
7月13日 韓国非常軍法会議、金芝河ら7名に死刑判決。 |
7月27日 金芝河の釈放を求めて金達寿・鶴見俊輔・針生一郎・李進熙がハンストに入る。 |
7月27-30日 アメリカ下院司法委員会、ウォーターゲート事件でニクソン大統領弾劾訴追状第1-3号を可決 |
7月── 日本ペンクラブ、韓国の言論自由問題で紛糾する。 |
7月── 中国の秦始皇帝陵から1万体以上の兵馬俑が発見される。 |
8月8日 小田実(金芝河らを助ける会)・青地晨(日韓連帯連絡会議)、社会党成田・共産党宮本・公明党竹入の3党委員長とホテル=グランドパレスで会談し、対韓問題で共同行動することを決定、〝共同の訴え〟を発表する。 |
8月12日 経団連、政治献金の企業割り当て廃止を決定する。 |
8月15日 (韓国)光復節記念式典で陸英修夫人(朴正熙の夫人)が狙撃されて死亡。朴大統領、平和統一の3大基本原則を発表。 |
8月29日 宝塚歌劇月組、「ベルサイユのバラ」初演。 |
9月30日 国連総会、アパルトヘイト問題で南アフリカ共和国の信任状を否認する。 |
10月8日 立花隆「田中角栄研究──その金脈と人脈」(『文芸春秋』11月号) |
10月下旬 金達寿や李進熙、対馬に旅行し、朝鮮半島を眺める。 |
12月17日 高史明『生きることの意味』 |
12月28日 共産党と創価学会、相互不干渉・共存など期限10年の合意協定を締結(双方秘匿・松本清張仲介)。 |
── 金達寿が1974年度の第1回青丘賞を受賞する。 |
── 戦後初のマイナス成長(-1.4%) |
2月1日 『季刊三千里』創刊。 |
3月9日 自民党〝政経文化パーティー〟(大阪)、会費6万円(新形式の党資金集め)。 |
4月1日 「対馬まで」(『文芸』) |
4月5日 台湾の蒋介石総統没(87歳)。 |
5月3日 サイゴン放送、南北ベトナムの境界線を解放と報道する。ベトナム戦争終結。 |
5月25日 『小説・在日朝鮮人史 上』(創樹社) |
6月28日 日本リクルートセンター、『就職情報』創刊。 |
6月30日 日韓議員連盟が結成される(自民・民社両党議員約180名)。 |
7月1日 『小説・在日朝鮮人史 下』(創樹社) |
7月12日 宮本共産党委員長と池田創価学会会長会談、双方の路線に不干渉・共存で一致する。 |
7月27日 20日に初めて訪朝した自民党訪朝議員団13名、金日成と会談し、〝北の脅威はない〟と合意する。 |
8月5日 日本政府、クアラルンプール事件で(8月4日)日本赤軍5名の要求に応じ、拘束中の過激派釈放の超法規的措置を決定する。 |
8月15日 三木武夫首相、現職の首相として初めて靖国神社に参拝する(私人の資格)。 |
8月15日 井上清『天皇の戦争責任』 |
8月*日 児玉誉士夫「わたくしの内なる天皇」(『正論』)。天皇制論議が盛ん。 |
9月30日 朴慶植編『在日朝鮮人関係資料集成』(三一書房 全5巻 ~76年12月15日) |
9月*日 金芝河「良心宣言──獄中から」(『世界』) |
11月1日 『季刊三千里』4号掲載の、久野収と金達寿との対談「相互理解のための提案」で、久野から朝鮮人のみなさんと協力して、NHKに朝鮮語講座を設けてもらうよう運動をしようとの提案が出され、金達寿も即座に賛成する。 |
12月10日 立花隆「日本共産党の研究」(『文芸春秋』1月号) |
── 不況下の春闘はどうあるべきか議論が盛ん。 |
1月23日 政府、76年度予算を国会に提出。戦後初めて赤字国債が当初予算に組み込まれる。 |
2月6日 野党4党、ロッキード事件への追及を開始する。 |
2月25日 『金達寿評論集 上 わが文学』(筑摩書房) |
3月25日 『金達寿評論集 下 わが民族』(筑摩書房) |
4月*日 旗田巍・堀田善衛・金達寿・日高六郎ら40名、〝NHKに朝鮮語講座の開設を要望する会〟を結成し、署名運動を開始する。 |
5月11日 証券取引審議会、「株主構成の変化と資本主義のあり方」を大蔵省に提言する。法人株式保有の行き過ぎ是正・個人株主育成を提言。 |
6月7日-7月25日 東京国立博物館で「韓国美術五千年展」が開催される。 |
6月15日 平野謙『「リンチ共産党事件」の思い出』 |
7月27日 田中角栄、ロッキード事件で逮捕される。 |
7月30日 共産党大会で綱領・規約が改定(〝執権〟の削除、マルクス・レーニン主義の呼称を廃止)され、「自由と民主主義の宣言」が採択される。 |
9月9日 毛沢東死去(82歳) |
10月22日 中国、4人組事件を公表する。 |
10月29日 政府、77年度以降の「防衛計画の大綱」を決定し、平和時の限界を明示する。 |
10月*日 中上健次「枯木灘」(『文芸』~77年3月*日) |
11月9日 『朝鮮新報』に『季刊三千里』攻撃の文章「事実を歪曲したおろかな反共和国宣伝」が掲載される。 |
12月31日 (韓国)金芝河、反共法違反裁判で懲役7年の判決。 |
── 公共事業による遺跡破壊が増加。埋蔵文化財保存の訴訟が数年来増え続ける。 |
1月15-16日 〝邪馬台国〟公開シンポジウム開催(朝日新聞社主催) |
3月8日 アメリカ国際貿易委員会、日本製カラーテレビ輸入急増は国内産業へ被害ありと裁定する。 |
4月4日 NHKに朝鮮語講座の開設を要望する会の発起人代表がNHKと講座の開設に向けて交渉を行う。 |
5月1日 金達寿たち、『季刊三千里』10号で、総連からの攻撃に反論する座談会を掲載する。 |
5月*日 三田誠広「僕って何」(『文芸』) |
6月25日 鼓直編『ラテンアメリカ文学叢書』(国書刊行会 全15巻 ~80年7月30日) |
8月12-18日 中国共産党第11回全国代表大会。華国鋒主席、毛沢東路線の踏襲と第1次文化大革命の終結を宣言する。 |
9月21日 日本の最高裁判所裁判会議で、金敬得の司法修習生としての採用が認められ、司法修習生の国際条項廃止の初めての例となる。 |
9月23日 張斗植が心不全のため死去(60歳)。 |
9月28日 日航機、ボンベイで日本赤軍によりハイジャックされる。 |
9月29日 政府、日本赤軍によるボンベイでの日航機乗っ取り事件で超法規的措置をとり、服役・拘留中の赤軍派9名の釈放と初の身代金支払いを受諾する。 |
月日 ソ連臨時最高会議、新憲法を採択・発効。全面完全軍縮の達成をめざし人権と自由の重視をうたう。スターリン憲法が41年ぶりに改定される。 |
10月*日 小此木啓吾「モラトリアム人間の時代」(『中央公論』) |
11月24日 李恢成『見果てぬ夢』(全6巻 ~79年5月20日) |
12月30日 日本共産党、袴田里見前副委員長を除名する(78年月1月4日発表)。 |
1月24日 江藤淳「戦後の文学は破産の危機」(『毎日新聞』)。これを契機に〝無条件降伏論争〟がおこる。 |
2月1日-81年8月1日 「行基の時代」(『季刊三千里』)連載開始。 |
2月20日 ガルブレイズ(都留重人訳)『不確実性の時代』 |
2月*日 鎌田慧「華麗なる自動車王国の暗部」(『潮』) |
4月19日 スペイン共産党第9回大会。カリリョ書記長、党を〝民主的・革命的マルクス主義党〟と定義づけ、ユーロコミュニズム路線を推進(中ソがそれぞれ非難)。 |
5月23日-7月1日 初の国連軍縮特別総会が開かれる。 |
6月1日 「最後の参奉」(『文芸展望』) |
6月*日 清水幾太郎「戦後を疑う」(『中央公論』) |
7月5日 大西巨人『神聖喜劇』(全5巻 ~80年4月25日) |
7月27日 中上健次『紀州 木の国・根の国物語』 |
8月12日 日中平和友好条約調印。 |
10月17日 靖国神社、東条英機・広田弘毅らA級戦犯14名を合祀する。79年4月19日表面化。 |
10月31日 ボードリヤール(今村仁司・塚原史訳)『消費社会の神話と構造』 |
1月1日 アメリカと中国が国交回復。同時にアメリカ、台湾と断交する・ |
1月20日 奈良市田原町から、『古事記』編纂者の太安麻呂の墓誌が出土する。 |
2月1日 グラマン疑惑(1月4日問題化)の重要人物、日商岩井の島田三敬乗務、「会社の命は永遠です」という内容の遺言を残し、赤坂のビルから飛び降り自殺。 |
2月1日 イラン革命運動の指導者ホメイニがパリからテヘランへ帰着する(国外追放から15年ぶり)。 |
3月18日 東京・市ヶ谷の私学会館で「『わがアリランの歌』を出した金達寿の会」が開かれる。 |
3月26日 イスラエルとエジプトが平和条約に調印する。 |
3月28日 アメリカ、ペンシルベニア州スリーマイル島の原子力発電所で大量の放射能漏れ。 |
3月30日-4月3日 第15回イタリア共産党大会。現存の社会主義でも社会民主主義でもない〝第3の道〟を採択する。 |
4月25日 『落照』(筑摩書房) |
5月10日 韓国文化院が東京・池袋サンシャイン60に開設される。 |
7月2-4日 金達寿、胃潰瘍のため、大阪市旭区生江にある博愛胃腸病院へ入院する。 |
8月1日 「備忘録」(『文芸』) |
8月24日 中野重治が死去(77歳)。 |
※ 金達寿、直ちに中野の家に駆けつける。 |
9月9日 埼玉県上福岡市第3中学1年生の林賢一少年がいじめを受けて自殺する。民族差別に対する抗議運動がおこる。 |
10月4日 NHK教育テレビ「わたしの自叙伝」で、金達寿を取りあげた番組「金達寿・在日朝鮮人の青春」が放送される。 |
10月26日 (韓国)朴正熙大統領、KCIA部長の金載圭に射殺される(62歳)。 |
10月30日 『対馬まで』(河出書房) |
3月25日 『労働新聞』が論評で、在日朝鮮人2世・3世は「帰化して日本人になれ」(『諸君』4月号)と公言した民主共和党総裁・金鐘泌を非難する。 |
3月*日 村上春春樹「1973年のピンボール」(『群像』) |
4月 この年度より、学校の歴史教科書から徐々に「帰化人」の語が消えはじめる。 |
4月10日-6月30日 画廊茶房ピーコックで「『金達寿小説全集』刊行記念・金達寿展」が開かれる。 |
4月20日 『金達寿小説全集』の第1回配本(6巻)が出る。 |
5月27日 (韓国)戒厳軍が光州に突入して全市を軍事制圧、多数の死者を出す(光州事件)。 |
7月20日 季刊『直』11号が「特集 金達寿・人と作品」を組む。 |
8月27日 (韓国)全斗煥が大統領に選出される。 |
9月9日 イラン・イラク戦争がおこる。 |
9月17日 (韓国)韓国軍法会議、金大中に死刑・文益煥ら23名に懲役2-20年を判決する。 |
9月22日 ポーランドに自主管理労組〝連帯〟が創設される。 |
9月1日 (韓国)全斗煥が第11代大統領に就任する。 |
9月3日 30年間消息不明だった元共産党政治局員の伊藤律が北京より帰国する。 |
9月25日 大野晋・丸谷才一編『日本語の世界』(中央公論社 全16巻 ~86年3月20日)の第1回配本『日本語の成立』で、大野晋、日本語のタミル語起源説を提議。日本語系統論論争を呼ぶ。 |
10月10-14日 (北朝鮮)朝鮮労働党第6回大会で金正日が党書記・政治委員会常務委員・軍事委員に選出される。 |
※ 金達寿、社会主義で世襲制などあるべき方向ではないと強く幻滅する。 |
12月14日 中国共産党総書記の胡耀邦、文革を全面否定する。22日、『人民日報』で毛沢東は文革で過ちを犯したと名指しで批判する。 |
1月6日 閣議、2月7日(日露和親条約調印日)を〝北方領土の日〟と決定する。 |
1月23日 (韓国)韓国大法院、金大中ら12被告の上告を棄却。直後の閣議決定で全員減刑(金大中は無期懲役に)。 |
2月18日 (韓国)政府、「反共教育を否定一辺倒から開放的方向へ転換」と発表。 |
3月20-27日 金達寿・姜在彦・李進熙、全斗煥政権下で死刑を宣告された在日朝鮮人「思想犯」への恩赦を求めるため、訪韓する。 |
6月5日 自民党文教部会・文教制度調査会合同会議が開かれ、教科書検定の強化・広域採択制・教科書法の制定など、教科書制度改革案をまとめる。 |
6月29日 大村防衛庁長官、アメリカ国務長官ワインバーガーとワシントンで会議。アメリカ側、日本の防衛力に強い不満を表明し、76年の「防衛計画大綱」の見直し・増強を迫る。 |
7月1日-82年2月1日 「故国まで」(『文芸』)連載開始。 |
8月1日 「行基の時代」(『季刊三千里』)完結。 |
── 自民党の教科書改革問題をめぐり、議論が盛ん。高校教科書検定(82年度より使用)、文部省の指示で書き換えられた事項:憲法・愛国心・自衛隊・原爆・公害・北方領土・原発・福祉など。 |
1月13日 イタリア共産党中央委員会、ソ連・東欧型社会主義体制を拒否する宣言を出す。 |
2月1日 「故国まで」完結。 |
2月22日 (韓国)共産主義文献15点の市販解禁。解禁第1号のバーリン『カール・マルクス──その生涯その時代』は即日売り切れ。 |
3月1日 午後、在日韓国大使館から金達寿に、全斗煥政権1周年を記念して、在日韓国人死刑囚5人の恩赦が決定したという連絡がある。金達寿、同日夜に記者会見を開いてその知らせを伝える。 |
3月30日 『行基の時代』(朝日出版社) |
4月20日 『故国まで』(河出書房新社) |
6月26日 新聞各紙、明春から使用の高校と小学校用教科書の文部省検定結果を報道する。 |
※ 社会科で〝侵略〟を〝進出〟に、天皇記述への敬語使用、国民の義務の強調など。教科書問題について国内・国外(中国・韓国など)から大きな抗議がおこる。 |
7月20日 中国の『人民日報』と韓国の『東亜日報』、日本文部省の教科書検定による歴史書き換えを批判する。 |
7月27日 (韓国)政府、教科書問題に関連し、公式見解を初めて発表。「憂慮」を表明。 |
7月28日 (韓国)ソウルで日本教科書歪曲糾弾大会が開かれる。 |
8月── 日中友好諸団体・日教組・日本出版労連・婦人団体など、教科書問題で連日、首相や文部相に要望・抗議。 |
9月4日 沖縄県議会、検定で高校教科書から削除された沖縄戦での日本軍による住民虐殺の記述の回復を求める意見書を採択する。 |
12月23日 (韓国)金大中、12月6日に刑務所から病院に移送され、釈放されるも、韓国居住を許されず家族とともにアメリカに行く。 |
1月19日 『ワシントン・ポスト』中曽根首相がソ連のバックファイヤー爆撃機の侵入阻止に言及し、〝日本列島を不沈空母とする〟〝4海峡封鎖〟との発言を記載。 |
※ 否定ののち肯定。〝3海峡〟に訂正。 |
1月24日 中曽根首相、国会での初の施政方針演説で「日本は今、戦後史の大きな転換点」と強調し、「従来の基本的な制度や仕組みをタブーなく見直す必要あり」と発言する。 |
2月── 戦後最長の不況(80年3月~)がこの月で終了(7月27日、経済企画庁が宣言)。 |
5月28-29日 〝東京裁判〟国際シンポジウム開催。 |
6月15日 金石範『火山島』1巻刊行。 |
6月30日 文部省、84年度使用の中高教科書の検定結果と検定意見の一部を初めて公表する。 |
6月30日 (韓国)KBSテレビ、国内離散家族捜し番組の放送を開始する(8月2日までに4000組を超す家族が再開を果たす)。 |
7月15日 任天堂がファミリーコンピュータを発売する。 |
7月20日-10月30日 ヨーロッパ初の広島・長崎原爆点が開催される。 |
9月10日 浅田彰『構造と力──記号論を超えて』 |
10月9日 (韓国)ラングーン爆弾テロ事件。 |
11月7日 奈良県明日香村のキトラ古墳、ファイバースコープによって石槨内に彩色壁画(玄武の絵)があることを確認する。 |
── マルクス没後100年にあたり、雑誌の特集号が相次ぐ。 |
3月18日 江崎グリコ社長の江崎勝彦、西宮市の自宅で入浴中に拉致される(〝怪人21面相〟の発端)。 |
4月*日 NHKで「アンニョンハシムニカ──ハングル講座」がはじまる。 |
4月23日 文部省、小学生の〝いじめっ子〟問題に対処する指導書を全国の小学校・教育委員会に配布(この頃から問題が陰湿化)。 |
6月10日 浅田彰・伊藤俊治・四方田犬彦編集〝GS(たのしい知識)〟創刊 |
6月30日 平均寿命、男女とも世界一となる(男性74.2歳、女性79.78歳)。 |
7月4日 安倍外相、外務省に中国人・韓国人の名前の現地読み採用を指示する(漢字表記には片仮名ルビ)。 |
7月15日 吉本隆明『マス・イメージ論』 |
8月14日 閣議、韓国大統領全斗煥夫妻の国賓としての来日を決定する。 |
8月22日 中曽根首相、在京韓国記者団に対し、朝鮮統治の過去の惨害に〝反省〟を表明する。 |
9月6-8日 全斗煥大統領、韓国国家元首として初めて訪日。 |
※ 昭和天皇が宮中晩餐会で「両国間に不幸な過去があったことは遺憾」と述べ、また日本国家の成立は6世紀だと発言する。 |
9月8日 日韓共同声明を発表。永遠の善隣友好をうたう。 |
── 企業倒産件数20,841件で過去最高。 |
1月17日 韓国籍を理由に長野県教育委員会によって教員採用内定取消となった梁弘子、県弁護士会に人権救済を申し立て。3月27日、県教委、梁に非常勤講師採用を発令。 |
3月11日 ソ連共産党書記長にゴルバチョフ政治局員が選定される。 |
3月17日-9月16日 〝科学万博──つくば'85〟開催。 |
4月29日 金達寿、9月の外国人登録証切り替え時に指紋押捺を拒否する旨を宣言する。 |
5月14日 閣議、外国人登録法による政令を改正する。指紋押捺の方法を回転式から平面式にすることを決定。法務省、押捺拒否者には登録済み証明を発行せず、3ヶ月の説得後に告発せよと県知事島に通達する。 |
5月28日 南北朝鮮赤十字会議、12年ぶりに再開(ソウル)。 |
6月15日 村上春樹『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』 |
7月21日 南アフリカで、アパルトヘイトに反対する黒人の暴動が激化し、ボタ大統領が非常事態を宣言する。 |
7月27日 中曽根首相、自民党セミナーで、防衛庁の〝59中期防衛業務見積り〟の政府計画に格上げを示唆。〝1%枠〟撤廃問題、靖国神社公式参拝につき意見表明。〝戦後の見直し、総決算〟〝タブーに挑戦〟を改めて強調する。 |
8月12日 群馬県御巣鷹山山中にボーイング747SR機が墜落。 |
8月15日 南京に南京大虐殺記念館が開館する。 |
9月19日 チリでM8.1の大地震がおこる。 |
10月15日 ソ連共産党中央委員会総会、24年ぶりに綱領を修正。ゴルバチョフ書記長、所得倍増15ヵ年計画と当面の5ヵ年計画を発表(〝ペレストロイカ〟志向)。 |
── ファミリーコンピュータが大ブームとなる。 |
1月22日 社会党50回大会続開大会、〝新宣言〟を満場一致で採択。〝日本に於ける社会主義への道〟などを歴史的文書とし、マルクス主義の影響から西欧型社会民主主義路線への路線転換を決定する。 |
1月28日 アメリカのスペースシャトル・チャレンジャー号が打ち上げ直後に爆発する。 |
4月26日 ソ連のチェルノブイリ原子力発電所で原発事故が起こる。 |
4月29日 政府主催の天皇在位60周年記念式典(両国国技館)が挙行される。 |
5月9日 指紋拒否者全国連絡会が発足する。 |
5月10日 ドゥルーズ=ガタリ(市倉宏祐訳)『アンチ・オイディプス』 |
5月27日 〝日本を守る国民会議〟編集推進の高校教科書『新編日本史』が検定に合格する。 |
5月31日 金時鐘『<在日>のはざまで』 |
6月10日 リオタール(小林康雄訳)『ポストモダンの条件』 |
9月5日 藤尾文部相、『文芸春秋』で、日韓併合について〝韓国側にも若干の責任がある〟と述べて問題化(9月8日罷免)。 |
9月21日 (韓国)中曽根首相、全斗煥大統領と会談(ソウル)。藤尾発言で陳謝し、指紋押捺を1回限りに簡素化すると表明する。 |
9月22日 中曽根首相、講演で「アメリカの平均的知的水準は黒人やメキシコ人などを含めると非常に低い」と発言して問題化する。 |
10月17日 中曽根首相、9月22日の発言について、衆議院本会議で陳謝し釈明した際、日本は〝単一民族国家〟と発言し、再び問題化する(アイヌらが抗議する)。 |
10月17日 サイード(板垣雄三・杉田英明監修・今沢紀子訳)『オリエンタリズム』 |
10月23日 萓沼紀子ら、『日本の中の朝鮮文化』映像化のための製作委員会を発足する。 |
10月28日 衆議院本会議で国鉄分割・民営化関連8法案が可決される。12月4日に同法が公布される。 |
12月16日 柄谷行人『探究Ⅰ』 |
── 急速な円高により景気後退。輸出山地・城下町中小企業に深刻な打撃。超低金利時代(公定歩合3%)が到来し、庶民の預貯金の金利が急落する。 |
1月24日 閣議、防衛費の〝GNP1%枠〟を外し、〝中期防衛計画〟(~88年度)の枠内で総額を明示する新基準を決定する。 |
2月4日 和歌山で「神々の履歴書」の撮影がクランクインする。 |
2月23日 日銀、公定歩合を0.5%引き下げ、2.5%(史上最低・先進国中最低)。超低金利時代の到来。 |
5月22日 木下順二ら26名の発起による、「『季刊三千里』ごくろうさまの会」が、新宿のホテルで開催される。 |
5月30日 司馬遼太郎ら34名の発起による、「『季刊三千里』五十号完結記念パーティ」が、大阪・法円坂会館で開催される。 |
6月末 「神々の履歴書」が東京を皮切りに全国で上映される。 |
9月18日 宮内庁、天皇の腸疾患を説明(9月11日~10月7日宮内庁病院に入院・手術)。 |
10月12日 大江健三郎『懐かしい年への手紙』 |
10月19日 ニューヨーク株式大暴落(ブラック・マンデー) |
10月20日 東証平均株価、ニューヨーク株式市場大暴落(19日)を受けて戦後最大の大暴落(3836円48銭。下落率14.9%)。 |
10月25日-11月1日 中国共産党第13開大会開幕。現状を〝社会主義の初期段階〟と規定、党政分離を強調。 |
11月2日 ソ連党書記長ゴルバチョフ、革命70周年記念集会で演説し、〝ペレストロイカ〟の第1段階の終了を告げ、今後数年がもっとも困難な時期と予測、スターリン時代の指導の誤りを指摘、民主主義のもとで社会主義を前進させると宣言する。 |
11月15日 『在日文学民濤』創刊(~1990年3月20日) |
11月16-17日 東京・八芳園で第1回海外韓民族代表者会議開催。世界31ヵ国300余名の代表が参加し、東京宣言が採択される。 |
11月29日 (韓国)大韓航空機爆破事件(バクダット発アブダビ経由ソウル行き大韓航空機がビルマ付近で消息を絶つ)。 |
12月8日 米ソがIMF全廃条約に調印する。 |
12月24日 教育課程審議会答申、小学校低学年の社会・理科を廃止し生活科を新設。高校社会科を廃止し地歴科・公民科の新設。〝国旗掲揚・国家斉唱〟の儀式での義務化など。 |
── 日米経済摩擦が深刻化する。憲法関連書の刊行が盛ん。 |
1月4日 東京外国為替市場の円相場、1ドル=120円45銭を記録(戦後最高)。 |
1月15日 (韓国)国家安全企画部、大韓航空機事件の捜査結果として、北朝鮮による爆弾テロと発表。金賢姫(蜂谷真由美)、記者会見で犯行を全面的に認める。 |
※ 共犯者の「蜂谷真一」は逮捕直後に服毒自殺。 |
4月1日 (韓国)韓国政府、80年の光州事件について謝罪する。 |
4月15-21日 『日本の中の朝鮮文化』をもとにしたドキュメンタリー映画「神々の履歴書」の試写会が東京・五反田のイマジカで催される。 |
6月1日 『季刊思潮』創刊。 |
6月2日 藤ノ木古墳の第2次調査(5月9日~)で、石棺内に大量の副葬品があることが、ファイバースコープによる検査で判明する。。 |
7月5-6日 リクルート事件(6月18日)問題化。 |
9月3日 (北朝鮮)北朝鮮オリンピック委員会、ソウルオリンピック不参加を表明。 |
9月17日-10月2日 (韓国)ソウルオリンピック |
8月20日 イラン・イラク戦争が8年ぶりに停戦する。 |
9月22日 政府、天皇の様態悪化(9月19日吐血)に伴い皇太子に天皇のすべての国事行為委任を決定する。 |
9月29日 東京都議会、天皇の戦争責任に触れた共産党の栗原滋議員の問責決議案を可決。 |
12月7日 本島等長崎市長、市議会で天皇に戦争責任があると答弁。右翼から激しく攻撃される。 |